第4話

次の日の早朝からランニングと素振りを開始した。

走ってみるとやはりこの体は凄いことが分かる。

日本で3歳児位の遊んでる姿を見かけたことはあるが、こんなに速度が出るはずがないし、前世で死ぬ直前の私の身体能力を軽く超えている実感がある。

ランニングを終えると素振りを始めた。

棒の切れっ端を拝借し木刀宜しく上から下に振り下ろす。

やはり物語(ゲーム)の主人公は一味も二味も違った。

知識無ければ物理で殴れだぜ!!

あまりにもテンポ良く素振りできるのでテンション爆上がりである。

意味の無いセリフを心で叫びながらテンションMaxフルスロットルである。

1時間ほど素振りしたが、言っても3歳児、今日の行動ポイント全振りした感の虚脱感が体を襲った。

次の日、同じく早起きしランニングしたが若さのすばらしさを知った。

昨日は「明日は筋肉痛で動けないな」と思っていたが普通に動けるし体痛くない!!

若いとは良いものだと思いながら日課と決めたランニングと素振りを続けた。

2週間ほど続けた頃だろうか、今日も無事に終わらせ孤児院に戻ってくるとシスターテレサより今日商店へ行くことを伝えられた。

勿論同行することを伝えウキウキ気分で朝食を取っていると、アンちゃんが声を掛けてきた。


「ご機嫌でちゅね」

「今日はお出掛けちゅるの」

「何処にでちゅか?」

「シスターテレサと商店に行くのでちゅ!!」

「ふ~ん、わたちも行きたいでちゅ」


結局、アンちゃんも一緒に行くこととなった。

「シスターテレサに聞いて」言った途端、彼女の居るであろう院長室へ駆けて行った。

院長室より「行きたい、行きたい、行きたい」とアンちゃんの声が聞こえたが気のせいと言う事にしておこう。


院長のシスターテレサと他、大人数名と私とアンちゃんで商店へとやって来た。

大人を一人残し「商店の中以外は行かない様に、それと商品に悪戯したら駄目ですよ」と言い残してお店の人と個室で物品購入の話し合いをするらしくシスターテレサ達は去っていった。

さて、残された大人と言っても16歳のシスター見習いのモニカさんが私たち2人のお目付け役である。

私はモニカさんに先ずは色々聞いてみることとした。


「モニカさんしちゅもんがあります」

「質問?何が聴きたいの?」

「お金の単位をおちえてくだちゃい」


モニカさんに教えてもらった情報は下記だ。


お金の単位:G(ゴールド)

銅貨1枚 1G

銀貨1枚 100G

金貨1枚 1000G

白金貨1枚 10000G

 

1Gでリンゴ1個買える


お礼を言ってから店内を見て回る。

ある商品を見ると30Gと書いてあった。

ここで皆、疑問であろう何故文字や数字が解るのか、そこはご都合主義と言う多分あれである。

異世界転生特典と言う名の言語理解能力によるものだ。

決して作者が勉強回とか要らんくないかと思った訳ではないだろう。

多分そうだこの話は闇が深いので閑話休題である。

さてその商品は木とか石で出来たアクセサリーである。

高いか安いかは解らないが、1つ言えることはこれ以上の物作る自信がある。

前世で心友達と旅行した際、行った先の民芸店でお土産用に簡易アクセサリー作成を行ったのだがそれが正に30G以上の出来栄えの物だった。

素材はそこら中から手に入る物で作成できそうなのが最大のポイントだろう。

半額かそれ以下、例えば1個10Gで買い取って貰えばそれなりのお金を稼げるのではとの思惑である。

取狸(とらたぬ)ではあるがいいアイデアだと思う。

孤児院に帰ってから試作することとした。

読者の中には「え?知識チート如何したの?小銭稼ぎとか何それ?」と思うかもしれないが、現代日本人舐めるなと言ってやりたい。

ネットも無いのに色々できる訳がないのだ。

専門分野とかある人ならその分野の知識はあるだろうが、残念ながら私の知識ではこれが限界である。

知識チート期待していた読者の皆様スマヌ・・・

金策の目途は付いたので孤児院戻ってからが楽しみである。


孤児院に戻りシスターテレサに工具等の貸し出しをお願いし、如何いったことをするか話すと快く貸してくれ商店との交渉も行ってくれることとなった。

試作品を携え交渉し、1個13Gで買い取って貰えることとなった。

孤児院には13Gの内2Gを収めることで色々と融通を利かせてくれることとなった。

シスターテレサは「これで毎日のおかずが1品増えるかもしれないわ」と喜んでいた。

世話になっている孤児院に少しでも恩返しできるし私としても喜ばしいことである。


★~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★


私はマリーアンヌ、今はまだ3歳である。

私は前世の記憶がある。

何故あるかと言えば、神に会ってこの世界へ行ってみないかと誘われたからだ。

大好きなゲーム華帝を再現した異世界であると説明を受けた。

これはチャンスと勿論神の申し入れを快く受けることとした。

主人公になりたいと思ったがそれは出来ない要望だった。

色々考えて主人公の1人の幼馴染のポジションを選択することとした。

同じ孤児院出身と言う設定であった。

身分や立場が初期段階で低いと特典が大きいとのことが理由で選んだ。

神は願いを3つだけ叶えてくれると言った。

1つ目は前世での記憶、2つ目は主人公に負けない美貌、3つ目は魔法剣士としての適性。

私はゲームの世界を堪能したい。

そして・・・

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