第六十九話 麻痺

 やはりわたしたちは完全に麻痺している。

 一度スイッチが入るともうダメだ。

 若いころつるんでた別のいろんな男たちとの……あれはあれでよかったけどここまで汗が吹き出て心臓がバクバクして手足も震えて……。

 昼間からのミナくんとのイチャラブでぐっだりしてたら熱中症になった。

 リアル麻痺だったわ。


 ※※※

「まったく! わたしがボルシチ届けてなかったらあんたたち死んでたわよ!」

 確かに。

 わたしたちはジュリの突撃訪問が無かったら死んでいたわね。腹上死……まぁどっちが上かは……。

 まだ頭がぼーっとする。

 5月なのに室内なのに暑すぎる。


「ジュリのボルシチが染みるー」

 とさっきまでへたってたミナくん。わたしもよ。

 死にかけた後の最初の晩餐、ね。

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