湊音

第五十五話 季節外れ

 セールで見つけた色違いの2着の長袖ニット。僕と李仁それぞれのサイズが奇跡的に残っていた。サイズ当てがったらぴったりだ。

 普段は、あまりピンと来るものは無いのになんか惹かれてしまって買った。

 季節外れだけども夜肌寒いので着てみた。またこれ着るのは先のようですぐ季節が巡るのかな。楽しみ。


 ※※※


 ピンク色と言っても霞んだピンク。普段は僕が着ないのに、どちらかといえば李仁がピンク(どきついのから淡いピンクまで)なんだけどなぜか惹かれてしまったんだ。

 あとサイズでこれしかなかった、のもあるんだけどね。

 李仁は薄い紫。ああ、彼は何でも似合うのが羨ましいよ。


 さてさて家での試着も終わったしまた寒い時期に……と思ったら李仁が抱きついてきた。

「ミナくんがピンクって珍しい……だからなんかちょっと……えっちな気分になって来ちゃったぁ」

 ってピンク着てなくてもそんな気分だったんでしょ?!


 だんだん体温が暖かくなっちゃって……やばかった。

 もう汗ばむ季節になったかぁ。李仁の体温と匂いを感じてさらに気持ちよくなってしまった……。


 て。今日は僕……衣替えしてたのに何やってんだかぁ。

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