第五十二話 肉食系女子

 ある夜。ジュリと晩御飯を食べていて。なにかフラストレーション溜まってるのか酒を飲んだらグダを巻いてミナくんにグイグイと迫ってる。

 彼はタジタジだ。

 ああ、ミナくん……女の子がこうグイグイ来たらフラっと来ちゃうんじゃない?

 悔しくってジュリが酔い潰れて寝たあと同じ部屋でミナくんを抱いた。


 ※※※

 次の日の朝、ジュリを見送ったあと部屋を片付けていたらミナくんが

「ちょっと……」

 と言うからなんだろうと思った。

「ジュリさんに言われちゃったよ」

 と。

「人が寝てる部屋でいちゃつくのやめろって」

 やっぱり起きてたかぁ。


「まじ恥ずかしいんだけど」

 ちょっとミナくんご立腹。だってぇ……。

「なんであんなことしたんだよ、李仁」

「いいじゃない……」

「良くないよ」

 ミナくん無口になっちゃった。ちょっと怒ってる?

 少し互いに無口になって私はミナくんの顔を覗き込んだら目を逸らされた。あー、怒ってる。


 でもミナくんから口を開いてくれた。

「ジュリさんに絡まれてるの見て嫉妬したんだろ?」

 図星。

「変なことで嫉妬すんなよ……」

「だってぇ」

「だってもなんもないよ。ジュリだよ? 別に何もないし」

 ……そうだけどさぁ。


「でもね、あのさ」

 ミナくんの顔があからむ。


「すっごく興奮したよ……夜」

「……ミナくん」

「でももうすんなよぉ」

「わかったぁ、ごめんね。ミナくん」

 仲直りできてよかった。


 て、思ったけどミナくんは過去の少ない女性遍歴知ってるけど全部肉食女子に食われてるのよね……。

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