李仁
第五十一話 痛く無い
一番痛かったのはタトゥーを彫った時だ。
私が浮気したからと当時の彼氏で彫り師の男が私の下半身から膝上まで無数刻み込まれた。
無数の耳のピアスもだがタトゥーは流石に。
でもね数十年後に
「痛かったでしょ?」
と愛しのミナくんがピアス跡やタトゥーにキスしてくれる。それだけで痛く無いと思えるの。
※※※
もともと私が悪いのよね。
私が昔彼氏がいるのに浮気したりパーティーに参加して他の人たちと乱交してたのバレたから。
正直にどうしてこうたくさんのタトゥー彫られたことをミナくんに告白したら、最初は怯えた顔をしてたけど
「酷いよ、こんなことする人」
って触れてくれた。
今では何度もキスをしてくれる。毎回。
ミナくんと付き合っている時、鎖骨に彼の名前を彫ったら怒られたっけ。
これ以上傷つけるなって。でも刻みたかったの。今までの中で一番愛した人の名前を。
ピアスも若い頃から付き合ってきた男たちの数だけ開けてたけどそれもほとんどミナくんが埋めてくれた。
痛めつけることで愛を体に刻み込んでいたのに傷つけなくても愛を心に刻み込んでくれたのはミナくん、あなただけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます