第二十八話 アンテナショップ
ふと立ち寄ったアンテナショップ。
あまりこういうのは見ないほうだが何故か足を止めてしまった。
一体何故なのだろうか。
お菓子や調味料、特産品。
まじまじと見てしまった。
俺は生まれがどこか聞いたことがない。
子供の頃に親が死んで亡くなった兄貴とともに施設で育ち気づいたら今の土地に住んでいる。
※※※
市役所でアンテナショップ祭りがあって剣道の指導後に湊音と見に行ったのを思い出した。
「僕生まれも育ちもここだからさー。大学は名古屋だけど結局地元の母校で教師やってたから……こっから出ることなんてないんだろうなぁ」
と言った。
「違うところに行きたいとか志願しなかったのか」
「してたら今頃シバと一緒になれなかったかもよ」
まぁたしかにそうだな。
そのときのくったくの無い湊音の顔を思い出すと電話するのに躊躇する。
以前も俺が放浪してて湊音の前から姿を消した時、すごく不安定だったと李仁から聞いたことがあった。
なんで俺と出逢っちまったんだよ、湊音。
バカじゃねぇか?
……俺もお前いなかったら……つれぇよ。
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