第二十五話 詐欺師

僕の優しさはたまに君を傷つけるらしい。自分で優しいとかいうのはあれなんだが。

ミナくんは基本ネガティヴだからいい方向に考えて欲しくて嘘を言ってみるがあまり信用されないらしい。

僕がよくその手を使うからか。

詐欺師だなんて言われたことあったけど、そうなの? 

ストレートに言ったら怒るくせに。


※※※


「だってさ、嘘を言ってもその時はいいかもだけど後で知った時のショックと言ったらさぁ」

とふくれっつらミナくん。


その頬の膨らみにキスをしても嫌だヨォって顔を遠ざける。けど私は体を強引に引き寄せて次は口づけをする。


「キスしたからって許すっていうのは……んっ」

ずっとキスをする。ミナくんの口から反論する言葉が出ないよう。


したらばミナくんからも求めてきてすっかり今回の件はおしまい。


……そうしないと怒りは堂々巡り、なんだからね。

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