第九話 君の声
シバに見送ってもらってマンションを出た僕はスマホを取り出して電話をする。李仁に。
『ミナくん、どこー?』
すごっ、すぐに出た。
「今コンビニ向かっているよ」
『はーい』
僕は足早にコンビニに向かう。
さっきまであんなにシバを求めていたのに君の声を聞いたら気持ちは李仁を求めてしまう僕って……。
※※※
僕は車の免許を持ってないから自転車か歩きか公共交通機関。
でも大抵時間合えば李仁が迎えにきてくれる。
運転席でスマホを見てる。僕は助手席側からトントンと窓を叩くとびっくりして次に笑顔で迎えてくれる。
「ありがとう」
「いえいえー」
李仁は僕がシバの家に行ってセックスしたというのに迎えにきてくれる。
「ついでにスーパー行こ」
「うん」
僕らはパートナーシップ協定を結んでいる。
シバとジュリも。
なのに僕はシバとセックスをしている。
……ジュリも李仁も公認だ。
もちろん李仁が一番。
「李仁」
「なぁに、ミナくん」
僕は李仁にキスをした。
「李仁っ」
「ミナくん……」
さっきまでシバを愛した唇で。
さっきまでジュリに欲情していた身体で。
李仁はどう思ってこんな僕を受け入れてくれているんだろう。
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