第2話 未来決定
『生討』。それは『厄災』と対抗する人間の『異能人』の団体。
17歳から応募ができ、その異能によって配属される部門が異なる。もちろん異能は人の個性同様、似ているものはあっても同じものは無い。
そこまで難易度の高くない筆記試験を受け、その後実技試験をこなす。
しかしこれはこの『生討』に入れるか入れないかを決める試験ではなく、あくまで部門を決めるためだけのもの。
筆記試験も、学力を測り、成績が悪いものはスパルタな学習教室に送られ、成績が良ければ緩い教室に送られる。
また定期的に行われる定期試験で成績上位のものは、受け取れる賃金が増される。簡単に言うと、ボーナスが増えるということだ。
スパルタ教室は8時間も拘束されることになるため、異能使いは必死こいて勉強するのだが、
「わっからねぇーよー!!こんな難しい問題よー!!」
そこを目指しているにもかかわらず、数学の基礎問題を前にして悲鳴をあげている高校生がいた。
「はぁ……これが解けないマジか。」
その隣で勉強を教えていた別の高校生がため息をついた。
彼らは『生討』に入りたい高校2年生2人。
頭が悪い方が、
頭がいい方が、
「マジでこの式むずくね?」
「中学生の問題だけどな。」
「俺はこの式の解き方、100通り思いついたぜ。」
「因数分解なのに?」
頓珍漢なことばかり言う紅炎。そのいつも通りの彼にため息を着く弥雷。これはいつもの日常であった。
彼らはお互いにまだ年齢が1桁の時に出会い、数奇な運命から仲良くなった友達である。
「俺このままだと最低クラスになるよ。」
「別になったって勉強時間が増やされてかつ、練習時間が減るだけだろ。」
「それが駄目なんだって言ってんだろー?俺はこの火力で『厄災』を殺すんだ。そのために強くなりたくて、そのために『生討』に行くんだ!!」
「そのために勉強しろ。お前は。」
言い合いの絶えない2人は、『生討』目指して異能を磨きながら勉強するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~
そして5ヶ月後、『生討』テスト当日。
「いけるかな………」
「いけるさ。」
東京にある、『生討』本部の会場に、『異能人』が沢山集まっていた。
会場近くには『生討』の隊員である異能使いが見張っている。異能で暴れ回る応募者を抑えるためだ。
「みんな同じ年齢なんだな。」
「17歳の異能使いは絶対に来いって話だし、今の『生討』の勢力があれば、異能で暴れた瞬間に殺害だからな。殺されるくらいだったら、練度を磨いて貢献するか、異能を隠してひっそり暮らすかの2択だろう。」
「異能隠すなんて勿体ないなー。」
「人によるだろうな、それは。」
紅炎と弥雷はそんな会話をしたがらテスト会場に向かう。別にあまり緊張していないのは、落ちることは無いから。単に待遇が悪くなるだけで。
「同じ教室になれればいいな。」
「俺らなら行けるはずだ。死なないくらいに頑張れよ。」
「死ぬくらいやってやるさ。」
互いに肩を叩き合い、2人はテストのために別れた。
そして
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