第2話 ライオンとツバメちゃん
失血により意識も朦朧としているとき、白い ライオンが迫ってきた。逃げる気力も無く、このままでも死ぬし喰われても死ぬ。全身が生存を放棄したのか、痛みも感じずに謎の多幸感に支配されている。これが噂のアレなのか。人は死ぬとき脳内麻薬が生殖の絶頂のさらに数百倍出て、超気持ちいい状態で死ぬという誰も確認したことのない噂だ。いや確認した人もいるのかもしれないが、確認したあとは完全に脳ミソがイカれてこの世を去るので誰も知らない死の瞬間の秘密というやつだ。
この瞬間のために生きていたのかもしれないと感謝の気持でいっぱいになりながらも、死を覚悟し自らの神によしなにと祈りを捧げる。「ヘレナ大神さま!救済を!」言葉にならない念のような祈りを捧げると、ハイヒールを履きタイツ姿で鞭を持った女神ヘレナが現れた。
「おお、アラン・マクドナルド、しんでしまうとはなさけない!」
辛辣なほぼ非難と言って過言でないキツい言葉を女神ヘレナから吐きつけられる。
「この下等生物が!よくもまあ、私の名前を受けてながら何もできないしょうもない人生歩んでくれたわね、恥を知りなさい、恥を!」非難は止まらないが、何故かそれでも気持ちがいい。だめだ完全に脳がオーバードーズでMに目覚めたのかもしれない。
そうしていると、突然ライオンがガブリとヘレナに噛みついた。人なら即死だろうが、そこは女神、困ったよそのペットが噛みついてきて迷惑だといった感じにライオンを振りほどく。
「何なのよ、このネコ!飼い主の顔がみたいわ!」ヘレナがそう言うと、突然大きな影が迫ってきて地鳴りのような声で「わたくしのの神使レオンがどうかしたって?」と聞こえる。
全貌は見えないがとてつもなく大きい何かがヘレナに語りかけてるようだ。
その声を聞いてヘレナは顔面蒼白になり本当にガクガクブルブルと震えている。
「ひっひぃ〜、レイア大神さまの使者であらせましたか〜、これまた大変失礼を、なんでも差し上げますからお赦しを!!!」
先程までの尊大な態度とは打って変わって怯えるような態度にヘレナは豹変した。
「うちの氏子のアランを捧げますので今一度御慈悲を!」
勝手に御供え物にされちゃったし、うちの女神、命ごいとはなさけない。
「ふむふむ、いままでなら却って怒るところであるが、実は、そろそろ男囲ってもいい頃だと思っておったし、なかなかの美男で、わたくしのツバメちゃんにぴったり。そちはツイてるぞ、その申し出受け入れよう。」
あの……本人の意志はどこにいくんでしょうか?! 氏子って氏神の所有物なの?
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