番外編 シスターの朝

「うーん! 今日も良い朝ですね~!」


 朝一番のお祈りを終わらせ、ネアは太陽の光を浴びながら体を伸ばす。

 ネアは他のシスターに挨拶しながら、孤児院へと向かう。

 帝国が幾ら豊かとは言えどその恩恵を受けれない子どもというのはいる。


「他の国に比べれば恵まれているのかも知れませんけど」


 奴隷が横行して国も少なからずある。

 そんな国に捨てられるよりはここにいる子どもはまだ救われているというのは、ネアにも理解出来てはいる。

 だが心情として引っかかるものがあるのも事実であった。


「まあ、やれる事を精一杯頑張るしかないですけどね~」


 そうこう言っている間にもネアは孤児院についていた。

 ネアが入ると、子どもたちはそれぞれ将来に向けて勉強しているところであった。

 剣を一生懸命振るっている子もいれば、必死に魔法を学んでいる子もいる。

 あるいは国に仕えるために法を頭に入れている子もいる。

 集中を途切れさせるのは心苦しかったが、客人が来る予定なのでそう言ってられない。


「はーい! 皆さん注目ですよ~!」


 一斉にネアの方に子どもたちの視線が集中するのを確認すると、今日の予定を報告する。


「今日は便利屋であるレーヴさんが遊びに来てくれますよ~。もちろんイヴさんも来る予定ですよ~」


 その言葉に一気に子どもたちは沸き立つ。

 レーヴは商売人を目指す子や魔法使いを目指す子にとっては目標とも言える。

 イヴも子ども達にとても人気があるため、不定期ながらこの二人が来る事は子どもたちにとって嬉しい事であった。


(不思議な人たちですよね~)


 ネアは二人を心の中でそう評価する。

 いつの間にかラーハ、いや帝国内で彼らの話を聞かない日はない。

 決して重要人物とは言えないが、今や彼らや彼らの商品がない日々は考えられないほどであった。


(これから先が、あの二人の歩みの先が輝いているといいんですけどね~)


 これから先、二人にどのような事が待っているかはネアには分からない。

 だが二人が皆に笑顔を作っているように、ネアもあの二人に笑っていてほしいと思うのだ。


(ま、今は二人を迎える準備をしましょう)


 そう思いつつネアはまず子どもたちを落ち着かせ始めるのであった。



 いつもと変わらないシスターネアのある日の朝であった。




 あとがき

 という事で、第一章番外編でした。

 まずこれまで見てくれた方に感謝を。

 これから先どの様にこの物語を展開するかは未定ですが、できればこの先も見てもらえると嬉しいです。


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