第38話:ダンジョンコアの破壊
生き返った冒険者たちは、何が起きたのかわからず。状態を起こしたまま自らの手を見たり、あたりを見回したりしていた。
「い、生きてる?」「いや違う、確かに俺たちは死んだはずだ。」「生き返ったとでもいうのか?!」「イザベラ様が生き返らせてくれたんだ!!」
その言葉を皮切りに喜びの声を上げた。
あるものは、親友とのこの世での再会を喜び、またある少女冒険者は、同じく冒険者としてここにきて、一度死に別れた兄との再会を喜んだ。
「イザベラ様、本当にありがとうございました。」
再開を喜び合っていた少女冒険者の兄が近づいてきてイザベラに跪いた。
「気にするな。そもそもハロルド男爵殿が、ダンジョンを攻略しようとしなかったらわたくしはここにきておりませんわ。」
「ハロルド男爵?どこかで聞いたような名ですが・・・。」
「俺がハロルドだ。」
「お兄ちゃん、この人がオークジェネラルから私を助けてくれたんだよ!」
彼女は、先ほどオークジェネラルが少女を致している時にそばで怯えていた娘だ。
「なんと!妹を助けていただきありがとうございます。・・・まさか、悪名高いマホウスキー家の者に助けられるとは・・・。なにもされなかったかい?」
「うん!」
「俺がそんな風に見えるか?」
ちょっとショック・・・。
「それよりもハロルド殿、そのコアを早く壊さないとまた魔素を吸って、オークジェネラルとして復活するわよ。」
「え?!まじ?」
「マジですわ。」
「ちなみに、これってどのぐらい固いんです?」
「少なくとも、キングアーマードベアの頭より固いですわ。」
「無理じゃん!燃やしても切っても絶対に壊せないやつじゃん!」
「ハイ、ですので私たち冒険者はこのコアを持ち帰ってギルドに攻略完了の報告をするのです。」
先ほどの女の子の兄が説明してくれた。
「え?それだと、ギルドでボスが復活しないか?」
「そこは心配いりません、このコアは一定時間たつと勝手に元居たダンジョンに帰っていきますので。」
「なるほど。だったら、そのまま放っておいてもいいのかな。」
「いいえ、今回ばかりは魔素が通常より多く、ディザスター級スタンピードが発生してしまっているので破壊する必要がありますね。」
「結局壊さなきゃいけないのか。」
「でしたら、わたくしが見事溶かして見せますわ。」
「頼む。」
イザベラはコアを持つと自身の体に取り込んだ。すると、ジュウジュウと音を立ててコアが溶けていった。
完全に無くなったその時、後ろで轟音がしたので振り向くと、ダンジョンが音を立てて崩れ落ちるのが見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます