第17話 妹冒険者

◆◆◆ 第17話 妹冒険者 ◆◆◆



「ここまで来たら大丈夫よ、化け物さん」


「は?! おまっ!何で俺の事を!」



俺は握られていた手を振りほどいた。

よく見ると腕など、出ている所が蕁麻疹の様に赤いブツブツが出ていた!


「キャッ!もう、乱暴なんだから、鑑定が自分一人の物だけと限らないでしょ」



俺はそいう女を鑑定してみた。


ピピッ


・カレン

・13歳

・レベル2025

・聖女

・興奮状態

・転生者(花井・加恋)

・魔法:ホーリー(駄々洩れ中)

    ヒール



「何だお前…………転生者?」


「むふふふ、その感じ、その冴えない雰囲気、あなた…………ひょっとしてコンビニで轢かれたお客?」


「うッ…………何でそれを…………って事は、あの時の店員か?」


「正解…………あの冴えない男がまあまあ良くなったわね。少し雰囲気が残ってるけど」


「俺は転移してきたんだぜ、顔が似る訳ないだろ」


「バレたか! でも冴えない顔は同じだよねー」


「ってか、俺に何のようだよ!聖女に用はないぜ」



鑑定では聖女となっている。

レベルも異様に高いけど、俺には敵わないな。でもこの蕁麻疹はホーリー魔法の効果か。こえーな。


でもこの女、可愛いんだよな。


修道服を下から盛り上げているお胸も立派だし、少し好みとは違う感じだけど、全然悪くはないんだよな。



「だせってカッコ付けちゃって。ねえ取引しない?私を教会から逃げ出す助けをしてくれる代わりに、貴方の…………」


「あなたの……………?」


「い…………」


「い?」


「妹分になってあげるわ」


「妹かよ!!」


恋人かと思ったが、妹ときたもんだ!

肩でぜえぜえ息をして落ち着こうとするが、カレンはケラケラと笑っていた。


マズイ。カレンの話術に嵌っている気がする!


「だって、あんまり好みの顔じゃないんだもん」


「ズバッと言うなズバッと」


「まあ、言わないとハッキリしないでしょ。で、どお?」


「俺も男だ。週一で引き受けよう」


「何よ週一って」


カレンは俺に詰め寄り腰に手を当てて下から睨んで来た。



「だからあっちじゃ大人だったんだろ。だから俺は男なの、そう言う事で週に一回身体を拝借出来ればオッケーと言う事で…………」


「ふーん、週一でいいんだ。毎日奴隷の様に汁塗れになって地面に落ちたモノまで舐め取れとでも言うと思ったわ。オッケー!週一ね! まだ処女だけど」


「お前……性癖が歪んでないか?」



早速だが、俺は連れ込み旅館にカレンを連れ込み、何を致した。

元の世界では可愛い顔してやりまくっていたのか、何もかもが上手で逆に跨られて抜かれる始末だった。


全身に蕁麻疹がでたけど…………



「あ、避妊……」


「聖女はね、大地の母神から力を受けているのよ。母なる大地って言うでしょ。だから生を受ける者は大地母神の影響を受けるの。その神様から受ける力が大きい私は、そう言う事をコントロールできるから大丈夫よ」


スゲー便利、コンドーさん要らずって奴か。



身体が痒くなるので余りくっ付いてはいられないが、これからの事を考えて今の俺の現状とカレンの現状をすり合わせた。



「ふーん、狼男が貴方の天敵なのね」


「天敵じゃねえ!ライバルと言って欲しいな」


「で、人間の状態を狙ってヤル殺すと。」


「女子がヤル殺すとか言わないの」


「おじさん臭い」


「カレンの二個上だ!」


「ねえ今度は挟んでみない?一度してみたかったんだ~」


「話を急に変えるな! おっ おっ おふ」



俺はカレンの手の上で躍らせられているようだった。


その後、オエは前の彼女が持っていた服をあげ、貴重なオカズの下着をあげて穿かせた。


「こんなのが趣味なんだ~エロエロだなー」


ジト目で見ながらパンツや服を着て行った。


大事なオカズなんだから、身体で返せよとは言わなかったが、毎日でも良いよと言ってくれたので、俺はカレンの買い物に付き合って服や下着や靴まで、ありとあらゆるものを買ってあげた。


ルナバックの殆どの金銀財宝をパクって来ている事も話をしているので、遠慮する事無く買い物をしていた。



高級ホテルじゃないとイヤと言ったので、精神的に疲れた俺はそこそこ良いホテルに宿を取り、それからカレンのファッションショーを明け方近くまで見せられる事になった。



ショートスリーパーの俺は3時間ほど眠ったが、カレンはいつまで経っても起きてこない。

悪戯をしても起きない。

教会ではどういう生活を送っていたのかと聞きたいが、「もう少し」「あと五分」「うふふ、えっちい」などと言うだけで直ぐに寝てしまう。


結局起きたのは夕方近くになってからだった。


「寝すぎ」


「ごめん」


直ぐにホテルのレストランへ行き、お高いお肉をモリモリ食べた。

三食分を食べると直ぐに部屋へと戻り、また直ぐに寝てしまった。

一体これからどうしようと俺は可愛い寝顔を見ながら思案していた。





「いつも遅刻してバイトを首になっちゃうのよね~」


「寝すぎだ!」


昼前に起きたカレンを連れて屋台で串を食べ、変装の為に美容院で髪を俺と同じように茶髪から黒髪へと染めた。


ホテルに一人で居させる事も出来ず、カレンは冒険者の登録を行った。


職業は聖女改め魔法使いだ。

俺と同じ黒のローブを買い込み、二人並ぶと同じパーティーにも見えなくもない。

一応13歳から登録は出来るが、15歳まではFランクに固定で、外の討伐依頼は一切出来ないらしい。


まあ、関係ないけどな。



これで冒険者カレンの誕生で、俺の問題が解決するまではこの町に滞在する事が決まった。


「いざとなったら私はホーリーでずばばとやっつけちゃいましょう!」



さっき説明を受けたばかりだと言うのに、カレンは外へと向かってズンズンつき進んでいく。



前途多難であった…………

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る