第15話 新しい同志
キツネ目の男が、身代金でゲットしたカネで飲もうぜと言ってくる。いや、これは革命の軍資金であって手を付けてはいけないお金だからとイアンが諌める。さっきまで自分も人質だったハイジャックの身代金で飲もうぜとは根性据わっとる。先が楽しみな大型新人だ。
新人も入っているので統率の取れた行動のためにも迷宮に入る目的を聞いておかなくてはならない。クララに任せよう。そもそもイアンも何を求めて迷宮入りしなきゃいけないのか知らないのだから。
「今回の迷宮潜伏の目的は大きく分けて3つです。ひとつ、身代金の資金洗浄。ひとつ、パルチザン勢力との合流、ひとつ、古代から当家が管理する超兵器の取り出しです。」
なるほど、この迷宮はクララにとって外なるものではなく内なるものだったようだ。同時に我々少数派の敵たる多数派にとっての外。
革命は常に外部から電撃的に到来する。だから政府というものは自らの外を作らないように包括性を重視して運営される。しかしそれは制度としてではなく飽く迄も版図や資源の権利等として。今は利権に与れる側と搾取される側を包括して、武力や制度で利権をサポートし搾取される側へ向ける武器や拷問道具に税金が使われる。すなわち搾取される側はすでにこの政府の外側に半分出ている。彼らにとってこの政府は何もいいことをもたらさないのだから。しかしその版図の中に囚われていては革命に必要な実力をつけることが出来ない。それを温存していつでも革命をもたらせるように現し世から切り離された初めから外で兵力を蓄えていたのだ。
目的意識をはっきりさせて、メンバーをオルグし終えたら早速迷宮に潜伏するのだが、今回初参戦の新人が二名いる。この二人の能力と属性を判定しておかねばならない。
「同志少年Sよ、お前の得意な戦闘スタイルは何だい?」チヒロが聞くと、少年Sは「出たぞ、ダイナマイトだ。爆発するぞ早く逃げろ!」と叫び手に発煙筒を発生させ煙を満たし、「よこすかせんは卑怯者!」と言うと煙が爆発した。爆破魔法を得意とするらしい。
キツネ目の男は毒による攻撃が得意らしいが敵がいないから実演できないとのこと。そりゃそうだ。
「毒入り危険食べたら死ぬで」
ボソっと陰のある声でいうが爆発ほどの威圧感はない。しかし隠密行動における戦闘力として大変重宝するだろう。
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