第13話 爆発する小包

 決行の日の欠航は、飛行魔導機のトイレに爆発物が仕掛けられていた事が直前になって発覚し急遽欠航となった。その報道がされたとき怒り狂ってる男がいた。増税メガネザル三世臣下の外務大臣の豚野郎だ。

「なぜ爆発させぬ!欠航だと再度何度でも狙われるではないか!」

 テロは成功させたと思わせて実は要人は別の便で行ってとっくに用事済ませて、ましたというのが護衛の基本である。ダミーの予約をするだけしておいて、本人は別の便で行くのは基本であるが、次の便に本当の予約を入れた途端に矢継ぎ早に該当の飛行機のトイレから爆弾が見つかり次々と欠航になった。

 もう10本目の予約を入れたが、9便とも全部同じ手口でトイレから爆弾が見つかる。次の便こそは、と予約を入れた。念の為その次の便にも予約を入れた。すると次の便のトイレから爆弾が発見され欠航になった。何故かその前に予約を入れた便だけ爆弾が発見されなかった。これに乗れと誘導を受けているようで逆に怖い。しかし、ふとその便に乗らない事を考えたとき、チャイムが鳴った「豚野郎さ〜ん、小包です!」


豚野郎は縮み上がった。指定された飛行機に乗らなかった場合、この官邸に小包爆弾が届くぞという仄めかしだ。もはや逃げられない。

―――

 奇しくも、迷宮目指してロザたちが盗むハイジャック予定の飛行魔道具には獣人族政府要人5人が一堂に搭乗することになった。スーパージェットという愛称を持つ航続7000キロの燃料満タンに入った超大型長距離機体だった。予約センターと整備場に第五列を仕込んでおいた甲斐があったナイス選定&政府要人の誘導である。


 なおこのことがトラウマになって獣人族政府が政府専用機を運行することになったが、空港側設備である整備所に潜伏してるクララたちの息のかかった第五列にしっかりイタズラされるのはまた別の話。

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