第4話 イナンナの故地へ
類人猿たちが、農耕を得て
類人猿が農耕により人間に進化した場所に、すなわちこの世界の古代文明発祥の地に国外拠点を設けるのは革命的な読者会にとって憧れといって過言ではない。それは光(共産主義革命)と闇(帝国資本主義)の最終決戦が行われ、帝国資本主義を打倒し晴れて人類が新しい時代へと進む記念すべき地は可能ならば、類人猿が人間へと進化したこの地であることが望ましいからだ。
ハイジャック機の行き先は、古代に人間に農耕を教えたという神話が伝わるイナンナの故地ウルクである。
また、弱者を食い物にして働かない特権階級のみがあたかも当然で正しいことのように
肥え太る方法論を生み出し、現代の悪魔的資本主義の直接のルーツとなった古代王国の発祥の地とも隣接している。
ーーー
「イアンといったな。私はかつてルクセンバーグ公爵家の長女であったロザという。
現在は勘当されて国外追放になっている。もはや公国とはなんの関係もないからロザと呼んでくれ」
リーダーの女性は当初の見た目通り、やはりやんごとなき御身分……公爵令嬢、それも追放令嬢ですか。そりゃ、ハイジャックとか起こしてたら国外追放もされるわな。
「これから、ウルクへと向かう。すぐ西側が帝国資本主義の吐き溜まりであり、光と闇の最終決戦をするのにこれ以上ふさわしい地もないだろう。現地で同志と合流する予定だから機上ではゆるりとされよ。」
ーーーーーー
えっと異世界ですよ。異世界。いやだなあ。よく似た実在の団体、地名とはなんの関係もありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます