第23話 新生マック
マック視点
(私たちに助けて欲しいのよね?私たちなら君を助けられると思う。代わりに私たちを助けてくれない?それと図々しいお願いだけれど、あの子も許してあげて欲しいのよ)
格納庫の足場の上の猫が語り掛けてくるでござる。
まあ、こちらとしても発狂はせずに済んでるし、どうにかこうにかして無事に騎体から降りられるなら許しますぞ。女の嘘は許すのがハードボイルドですからな。
(ありがとう、あなたは優しい……いやこの子はちょっとズレてるだけみたいね。)
◇◇◇
「うおおおおおおお!くたばれクソエルフ!」
メキメキと樹木をくりぬいただけの格納庫が吹き飛ぶ
(その調子よ!エルフの町は外からの攻撃には強いけど中からにはそれほど強くないのよね)
「まずは、いけっリフター!」
脇に抱えていたリフターを世界樹にくっ付いて建てられてる王城の謁見の間がありそうな所にぶん投げる!
見事に大きなステンドグラスを突き破って建物の中に消えていったリフターを尻目にフェルミたんの救出に向かう。
「バケモノめ!森の怒りを思い知れ!」
兵隊どもが出て来たでござるな。だけど拙者なんかこいつら信用できない感じを今更ながら感じて来てるんでござるよ。なんたって大変なことになってるのは拙者なのにほったらかしでこの騎体を調べようともしなかったですからな。
(それと私が付いてるから幻惑の術が効きにくくなってるのはあると思うわ)
ほんとこの猫の妖精さん様様でござるな。
で、妖精さんフェルミたんはいずこに?
(あのでっかい世界樹とエルフのお城がくっ付いてる所があるじゃない?あそこを目指して!)
アイマム!全速前進だ☆!
「砲撃隊前へ!撃て!」
風の魔法に乗って加速されたバリスタがヴリトラの装甲に突き刺さる。しかし装甲の厚さに敵わなかったのか突き刺さったのはわずかであった。そのうち自重に耐えきれずガラン!ガラン!と硬い音を立てて矢が足元にいくつも落ちる。
「さすがヴリトラだなんともないぜ!」
ヴリトラの装甲を頼りに王城へ向かってずんずんと歩みを進める
「城と世界樹をお守りするのだ!!怯むなー!うてー!」
ええい!うっとおしいでござるよ!気は進まないけど反撃するでござる!
(いいよやっちゃって!あいつ等は簒奪者に付いた裏切り者だから!)
「それを早く言えええええええ!」
瓦礫を掴み、エルフの駆る騎体に投げつける。いくつもの騎体が無残にひしゃげて行動不能に陥る。
「吠えたぞ!我々の攻撃は効いている!」
「効くか!そこをどけぇ!」
ついに隊長と思しき騎体を蹴り飛ばし王城を崩しにかかる。
すると大きな空洞があり、そこの真ん中でリフターと緑色の狩人っぽい騎体が戦っていた。そしてその奥にはフェルミたんが祭壇のようなところで寝かされていた。
とりあえずなんか狩人っぽい奴がなんか言ってるけどフェルミたんを回収してついでに祭壇をぶっ飛ばす。
「ありがとう異界の戦士よ。あなたのおかげで戒めは解かれました。お礼としてあなたとその騎体との融合を断ち切り人としての生活を送れるようにいたしましょう。しかし、どうしてもきれいに元あったようにはできないので、手足が短くなった分はあなたのお腹周りの肉で代用しましょうか。スリムになれますしちょうどいいですよね」
猫の妖精がそう言ったかと思うと、全身から鳴っちゃいけない音がミシミシバキバキと聞こえてきて一瞬目の前がまっくらになってしまったがすぐに明るくなる。
すると以前乗っていたような騎士のコクピットに自分が座っていて、後部座席にはフェルミたんが収まっていた。
「妖精さん!ありがとう!あとはやっぱりなんか裏がありそうなこいつをふんじばるだけだな!カイト!合わせろよ!」
拙者は瓦礫を掴み狩人の方へいくつも放り投げる。直撃コースはいくつも撃ち落され残りは巧みに躱される……そこだ!
瞬間、目の前に来た狩人に「砂」のブレスをくれてる!
「サンドブラストってしってるか?てめえの自慢の矢でも弾けねえ流砂の奔流、とくと御覧じろっ!」
一気に弓がボロボロになり装甲が端からだんだんと削れていくが、魔法的な防御もあってか決定打にはならなかった
「待たせたなマック!リフターありがとうよ!」
その言葉とともに狩人の機体を一刀両断するのであった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます