第14話 同盟
14話 同盟
ドガシャアアアン!
街の建物が激しく揺れ、窓ガラスが雨のようにアスファルトに降り注ぐ。
ステラリスと名乗った宇宙人の戦闘ロボットが再び街に現れ破壊活動を開始し始めた。
「あの野郎、ソラを出すまでこの街をボコボコにする気か」
郷田建設の巨大な建屋の屋上で銃を構える洋平のガルド、その隣には武のユンボールとシラセのライカが並んで悔しそうにしていた
「クソッ俺にも銃があれば……」
「あっても飛んでるのに当てるのは難しいんだ無いものねだりをするんじゃないよ」
シラセはパラ子として振る舞わずに淡々と配信していた。
空にはソラが駆るベール・ボップが戦っては居るが、多勢に無勢で押され気味であった。さらに地上からの射撃を警戒してか高度を維持しながらの攻撃であり、以前の様に山陰からの奇襲を行えないでいた。
ふと郷田建設の整備士から通信がシラセに入る
「おーい!シラセ嬢こっちき「わーッ!」……パラ子ちゃんちょっと来て!良いもんあるんだよ」
「今は宇宙人の様子を記録してるの。邪魔しないで」
「ンなもんウチの坊ちゃんに任せときゃいいんですよ。それより、空飛びたくない?」
聞いた瞬間に屋上から機体を翻し整備場にライカを駆け込ませると、そこには一対の翼があった。
先日、洋平が撃ち落とした敵の戦闘機体ハリーの壊れていない部分をニコイチサンコイチして組み上げられたモノでちょうど小型の探索機に付けられるハードポイントが増設されていた
「翼をありがとうねおっちゃん!ぶっつけ本番だけどあのカトンボ締めてくるわ!」
スロットルを全開にして大空へと駆け上がるライカ、上空でソラを甚振っていた機体のうち一機を蹴り飛ばしてカバーに入る
「ソラちゃん!翼を授かったから一緒に行こっか!」
「えっ?シラセ?どうしたのそれ」
「ちょっと空撮が撮りたくてね」
まるで空を蹴る様に駆けながら敵のハリーを再び蹴る、そこにすかさずベール・ボップのビーム刃を差し込み機体を破壊する。
すると最後の一機が地上へ向けて高速で逃げ始めた
「このままやられるくらいなら姫様は後回しだ!我らがステラリスの技術を盗まれたとあってはならない!あの工場を爆破する!」
騎士の1人であるハリーのパイロットは使命感から郷田建設の工場に突っ込もうと加速するが、その後ろから高速飛行形態に変形したベール・ボップが追い縋る
「私の第2のウチまで壊されてたまるかぁぁ!」
そのまま機体下部に展開したブレードでハリーを縦に切り裂きながら追い抜いた瞬間に急制動をとる、が間に合わなくてビルに激突して止まる。
幸い加速度は殺されていたため被害はほとんど無かった
「ソラ!テメェこの気をつけろっ!動きが早いからって建物に突っ込むんじゃねぇ!誰が直すと思ってんだ!」
「つんのめるのよっ!」
街に現れたハリーを無事片付けられたソラだが、少し不安そうにして武に問いかける
「……やっぱり、この街を出たほうがいいんじゃないかしらと思うの。これから私のせいで街の人が危険になると思うと不安で……」
すると洋平が答える「ちょうど良かった武とも話をしていたんだ。世界中のダンジョンを回るぞ。そのためにこの四人で同盟だ」
「ああ!」と武
「旅行!冒険!」とシラセ
「逃亡生活か懐かしい」と洋平
その夜、郷田建設の建屋から巨大なトレーラーが1台発進した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます