第10話 手掛かり
やあ!俺の名は渡海人!どこにでもいる高校生さ!
そんな俺はひょんな事から異世界バルタードに召喚されたんだ!その世界の人間達は、乗り込んで戦う巨大ロボットみたいな騎士で戦争をしてたからさあ大変!いきなり襲いかかって来られて大変だったが、操縦方法は俺のよく知ってる探索機〈エクスプロン〉と変わらなかったから何とか倒したんだが、この国もかなりキナ臭いらしい。
そんな中、なんと今日はアメリカ人の金髪もじゃもじゃ頭のジョブ・ジョンみたいな頼れる相棒マック・モス君と一緒に近場のダンジョンにやってきました!
「おぉー!ここがダンジョン!俺は3Dダンジョン作品とローグライク作品にも詳しいんだ!ここでは頼ってくれよな!」
隣で黄色い騎士に乗っているマックは調子の良い事をのたまう。
「そんな事言って、どうせ同じ階層でぐるぐるしてクソ強モンスを湧かせた事とかあったりするんじゃないの?」
「ハハッ!まあね!」
俺たち2人の後には現地の騎士団の人が2人ほどついて来ていた。
「マック殿、そのすりーでぃーダンジョンとやらはこういうダンジョンとはどう違うので?」
2人の騎士のうち男の方が質問してくる
「アハハ………耳年増ってヤツですよ。ではいざ!いきましょうか!」
全員でダンジョンに入る。ダンジョンの入口は10メートル程で5〜6メートルの機動騎士に乗り込んで突入するのが一般的だ。なぜなら内部の生物は基本的に巨大で普通の人間が武器を持って敵う相手出はないからなのだ。
何故そんなにデカいかと言うと、ダンジョンがそもそも魔法の元となる魔力が溜まって出来た「魔力溜り」でありそこを根城にする生き物は24時間魔力に浸かって異常成長する事が常だからである。らしい
で、魔力溜りって事はそこにあるさまざまな物質に魔力が浸透し変質する事があってな、ミスリルやアダマンタイト、他にもさまざまな魔力を帯びた鉱石を採掘出来るほか、宝石等もより輝きを増しておりアクセサリーにすれば人を虜に魔道具にすれば驚く効果を発揮するという
今回はそれで俺たちの専用騎を作ろうと言う訳だった。
え?普通そういうのって用意してくれてるんじゃないって?呼び出された日に首都に賊が現れるぐらいに追い詰められてた小国にそんな余裕あるはず無いって………
まあそんなこんなでダンジョンに入ってしばらくしたら目の前に5メートルぐらいのイノシシが現れた
「自分の実力を証明する為にも、とりあえず騎士さん達は見てて下さい」
俺は剣を抜くと構えたりせずに自然体で近づく。
ある程度近づくとイノシシが弾かれた様に突進を始める!しかしトップスピードに乗る前にこちらから脇腹に剣を差し込む。
ビクン!と震えた後にドスン!と横倒しになると傷口から血がドバッと出てきてイノシシは動かなくなる。その様を見てマックは歓声を上げ、2人の騎士は呆然としていた
「ヒュー!流石サムライ!みごとなワザマエだね!」
「今のあの様子………戦い慣れている?」
「あのイノシシ、毛皮が固くて剣が刺さらない事で有名なんですが………」
2人の騎士はイノシシの傷口をまじまじと調べてしきりに自分の機体の剣と傷口を比べていた
「傷口が小さいし、脇腹から心臓を一突きにした。血もある程度抜けて軽くなっているハズだ。目当ての素材が万一見つからなかった場合はコイツを持って帰ろうぜ」
「まさか貴方、はじめからそのつもりで…………?」
俺はまさか!と答えて歩みを進める。そう、今回の目的は俺たちの専用機の素材集めだもんな
次に現れたのは岩の塊に手足が生えた様な歪な怪物だった。
「コイツが目的のゴロックです。核が魔法金属なので砕いて取り出すんです。」
その言葉でマックが一歩前に出る
「まってました!俺の出番だね!コイツを砕けば良いんだろう!どりゃあ!」
俺の動きに比べたら若干ぎこちないがそれでも十分スムーズにゴロックを砕いていく
もちろんゴロックからの反撃もあるが、それをものともせずに砕ききってしまった
そしてゴロックだったモノの中から直径1メートル程の金属球を取り出した
「ミスリルですねこれをあと10は欲しいですね」
女の方の騎士はそれを背負っている小型コンテナに放り込む。金属球はコンテナの口部分に触れるとフッと消えてしまった
箱に入れたように見えなかった俺はつい口を開く
「なあ、そのコンテナちゃんと玉入ってる?」
「あ、これはマジックコンテナなんですよ。魔法鞄のコンテナ版です。貴重なモノなので今日の戦力は頼らせて貰いますね」
それからしばらくマックと2人でゴロックを倒して目標の数を集め終わった時に、物陰からコンテナを背負っている騎士を狙う銃口に気づく
「銃だっ!」
とっさに剣を投げ銃に当てる!そして一気に銃をもつ騎士に近づくと押さえ付ける!
「貴様の目的は何だ!何故狙う!」
「へへっ!異界から呼び出された蛮族めが!これ以上チョウサの野郎を調子づかせる訳には行かないんだっ!」
俺はコクピットの上から拳を叩き込み敵騎士を沈黙させる。
しかし、気になるセリフをコイツは吐いたな?
チョウサ………まさかな
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