第2話
『お名前を入れてください』
「ん?これはなんだ?」
『お名前を入れてください』
「コトヤ」
『コトヤ様は現世から命を絶たれようとしていたのでこちらに呼びよさせてもらいました』
「どう言うこと?」
『どうせ死ぬなら役に立ってください。直訳するとこうなりますが、あえてオブラートに包みますと…』
「直球すぎるんじゃない?」
『あなたは誰よりも言葉の重みを感じたでしょう。そんなあなたには特別な力を授けます』
「言ノ破?」
『全てあなたの言うとおりのことが起こります。ただし、人を動かすには相当の集中力が入りますので、団体戦などには向かないです』
「そもそも団体戦って何?」
『ここは剣と魔法が織りなすファンタジー世界。あなたは剣や魔法は使えませんが、言葉の力で役立ってください』
「剣や魔法が飛び交うのに勝てるわけないじゃないですか」
『それはやってみないとわかりません。追伸、自殺はできないようになっています』
「え?やってみないとって?あれ?もしもーし」
(何も聞こえなくなった)
コトヤ「そもそもここどこだよ!急に剣とか魔法が飛んできたらどうせ死ぬじゃないか!」
ゴロンと草原の中で横になり、眠りにつく。
―
起きると既に夜中になっていた。
コトヤ「寝ていたら死ねると思ったのに、全然虫にも刺されないし熟睡してしまった…」
辺りを見回しても草原が広がっている。
コトヤ「前ならずっと眠れていたのに、今はすごく目が冴えてしまっている。どうしようか…」
ぶらぶらと歩き始める。
コトヤ「草邪魔だなぁ、燃えてくれるとスッキリするんだけど…」
その言葉をトリガーに草が次々と燃え始める。火がつかないであろう若草にもどんどん燃え広がっている。
コトヤ「あ、能力ってこういうこと?ストップ!ストップ!」
燃えていた場所は既にだいぶ広がっており、罪悪感を覚えたコトヤ。
前から何かに乗った人影が見える。
?「今の魔法は君か!?」コトヤ「いや。えーと。そのぉ…」
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