第31話 『うごけない』


 両親と、職場の部下の方を連れて、何処か、何故か、職場が有る町にいた。


 ガソリンを入れまして、買い物をしたら、抽選券みたいなものをもらったが、一枚足りない。


 他のお買い物などしようとしたら、みんな、もう閉店……


 仕方ないから、帰ろう。


 しかし、そこは、かなり山深い町である。


 お手洗いにゆこう。


 と、故意ではないが、近くの職場のたぶん偉い人が、手に持っていた液体をぼくの顔に振り掛けた。


 『わあ。なにをするう!』


 とは、言ったもののしょうがない。


 顔をあらったが、ひりひりする。


 赤くなっているみたい。


 そのまま、運転しようとしたら、その人たちがやってきて、お詫びをして、でも、ぼくではなくて、自動車のボンネットを開けて調べてくれた。


 それで、異常なしとして、他の車と出発。


 田舎道にしては、車が多い。


 ある気の強い女性職員さんは、もたもたしているぼくを残して、割り込んで出発。


 しかし、動き始めたものの、なんとお、身体が寝たまま動かないし、アクセルにも、ブレーキにも、ハンドルにも手足が届かない。


 せまい道を川沿いに暫くゆくと、右に曲がって、川を渡る。ギリギリの橋だ。


 良く見えないよ。


 なんとか、かーぶして、橋を渡り、左に曲がる。


 これが、さらにせまい道で、路上には、でかいおもちゃの箱や本などが積み上がっていて、なんだか、見覚えがあるものばかりだが、まさか、ここに有るはずもなく、とにかく、掻き分けながら走る🚙💨。


 女学生さんや、会社員さんもいて、ひいたんじゃないか。と、心配するが『ダイジョブですから。』と、おっしゃる。


 しかし、身体が寝たままで起き上がれない。


 なんとか、部下の方に頼んで引っ張りあげてもらおうとする。


 が、こんどは、例によって、おしっこしたい。(つまり、これは、本当なわけ。)


 すると、崖下に、親類の家があると部下の方さまが言う。


 車は置いたまま、後は渋滞しているみたいだが、はるかな崖下に行こうとせしものを、なんと、垂直の梯子段をや、降りねばならぬというのだ。


 か、身体が動かないなか、仕方がない降り始めしが、進まない。


 あたりは、既に、夕闇である。


 いちだん、また、いちだん。


 途中で、靴は脱ぎ捨て、裸足で降りる。


 まったく、進まないのであるが、とにかく、たくさんの人が見つめるなか、ああ、ついに、最下段に達したり。


 息も絶え絶え、もう、くたくたなり。


 しかも、やはり、起き上がれない。


 背中を押され、必死の思いで、ついに、ついに、なんとか、立ち上がることに成功したのである。


 歓声が上がる。



    🙆🙆🙆🙆🙆


 

 それで、やっとこさ、目が覚めて、お手洗いに、階段を降りて行ったわけです。


 しかし、びーちゃんが、占領しているのでした。





 


 


 

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