第12話 『演奏会』


 どういう都合か、合唱団の演奏会に引っ張り出されたのである。


 練習なし。


 初見で本番。


 プロなら、それもありですが、そこはやましん、そうはゆかない。


 しかし、知ってる曲ならば、できることもなくはない。


 と、たかをくくったが、これは、とてつもない曲だった。


 なんせ、楽譜が読めない。


 いや、どう見ても、楽譜ではありません。


 なんといいますか、地図みたいな、現代絵画みたいな、意味不明なものだ。


 みんな、なんでこんなのみて、歌えるの?


 しばらく、参加しないうちに、恐ろしいことになっていた。


 いや、歌なのかどうかもあやしい。


 たしかに、男声は相変わらずへたくそ。


 女声はやたらうまい。


 しかし、うた、というべきものかどうかも、よくわからない。


 男女双方で叫びあっている。(そういう曲も、なくはない。)


 結局、なにもしないまま立っていたが、ちょうど手元にピアノの鍵盤があり(普通はありません。)、肘で、ぶぁ〰️〰️ん、と、鳴らしてしまった。


 数あわせで、口パクは、あり。(お口を開けてるだけで、響きが変わるという話もあり。)


 が、やはり、音を出したら、さすがに、ひんしゅくものであった。



 で、次の曲。


 あら、楽譜をもらってない。


 もらった楽譜は、みな、カラー刷りの広告みたいなものばかりだ。


 やれやれ。


 ステージというのは、なかなか、深い、恐怖の宿る場所である。


 まさしく、恐るべき夢である。



   😫😱😨😲😥😰😞😔

  


 これは、かつての事実を反映しています。


 つまり、まあ、さすがに、広告をもらって歌うわけはないが、似たようなことはあったわけだ。


 つまり、これは、自戒の夢である。


       🙇

 

 

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