第4話 親たちの苦役 そもそも、平野平家とは編
石動肇が中東・イスラエルの武装地域を突破して何とかリクルートしたかった人物を日本へ行かせる手立てと手段と手配が出来て、タクシーにリクルートした彼を無理やりタクシーに乗せた。
が、その分、自分も帰国しないと意味がないことを直後に思い出した。
しかし、タクシーは無情にも飛行場へ排ガスと砂塵を残して猛スピードで点となり、地平線へ消えた。
そこにひょっこり特注であろう迷彩服を着た日本人が話しかけてきた。
石動と秋水の腐れ縁はここから始まった。
それから、半年。
「ちょっくら、用事があるから二人で遊んでなよ」
と言って車で家を出た。
春平は石動の体をじろじろ見た。
「……石動君」
老人は初めて青年に声をかけた。
「はい、何でしょうか?」
「君、何かスポーツをしてなかったかい?」
「はぁ、一応、学生時代はサッカーとか野球の助っ人をしていました」
「ふむふむ……基礎は出来ていたわけか……」
「あの、俺も質問していいですか?」
石動は緊張しながら聞いた。
「何? ああ、名乗るを忘れていたね。俺はあのバカ息子の親父で春平という。よろしく」
「石動肇です……あなた方は何者なんです? 俺は秋水さんに約半年間鍛えられましたが、体育や武道じゃない、本当に人を殺す術を何度も見ました」
「ふうん、まあ、戦争だとそうだよなぁ……何と言えばいいのかなぁ」
今度は春平は天井を少し見た。
「『代々、暗殺の孫請け』をしていた……と言えば分かりやすいかな?」
「『暗殺の孫請け』?」
変な単語が出てきた。
「まあ、元々は忍者の家系だったんだ……今の大企業と地方の中小企業みたいなものだな。まあ、スパイ活動みたいな安全性の高いものは中抜きされて俺たちに来るのは汚れ仕事ばかり。でも、こちらには専売特許の暗殺術があるから時々、今もそうだけど、意外なところから依頼が来るから、内容とかと照らし合わせて……」
春平は一回言葉を切った。
でも、石動には続きは予想できた。
『殺す』だ。
その様を中東で石動は慣れてしまうほど見てきた。
暗い空気を感じて春平が声をかけた。
「どうだい? 俺と手合わせをしないか?」
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