征途
私は一体誰だろうか。私は神に捧げられた
「巫女よ。天孫の道行を切り裂け。その身を捧げ、
神というものは何時も一方的に
「御意」
唯々諾々と従うのみ。
「言いたいことがあるのは俺も分かるぞ。俺が出て全部蹴散らせばいいだろ、ってな。そうしてやりたいところだが、俺本体は前回の
「負けたのですか?」
「俺は全然負けてないが?ただ形而下の世界で活動可能な身体が完全に崩壊しているだけだが?だから貴様は
「私が軍神をですか?畏れ多い」
私はそんな器ではない。
「俺みたいなのでも強ければ軍神やれるんだから貴様でも十分務まる。あと
私は
それに私は弱き民草が安寧に生きられる秩序と平和を欲していた。荒ぶる神が急に野山から降りてきて民草を文字通り刈り取っていく世界が嫌いだった。両親もその辺の神に喰い殺されたからな。好きになれる訳がない。その世界を自分の身を捧げることで変えることができるならば、と思っていた。
「もう全部に核落として平らにしようぜ」
「狂を発したか、
「敵が多すぎるんだよクソ」
私と同じく大王の道行を整える役割を与えられた
私は神剣として多くを切り伏せた。
とにかく東征は終わり、私は身を隠した。多くの神を斬り、英雄を斬り、そして弱き兵を蹂躙した。弱者を踏み潰すのはうんざりだった。だから私は
そして起こされた二十一世紀の日本ははっきり言ってクソだったな。相変わらず弱者がより弱い者を踏みつけていやがる。起こされて早々に
誰かの家の上からそんな下界を眺めていると落ち着かなかった。
「そんなに
私を叩き起こした
「そうだな。そうさせてもらう」
そうして私は暗殺六課の刑事になった。弱者を踏み潰すのは嫌いだが、眼の前で誰かが苦しんでいることを見て見ぬふりはできない。
「ところで貴方のことはなんて呼べばいいのかしら?」
「
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