<呟き14>枯葉

下に積もっていく葉達は

いつも寂しそうに笑っていた

虫に食われても

強風が吹いても

決して落ちることなどなかったのに

風の穏やかな日に

突如として役目を終えた


きっとこれからは拾い集められて

いらないものとして

ゴミとして

扱われるんだろう


もう枯れてしまった命だから

その命の象徴は

人間にとってはゴミにしか見えない


乾燥してしまった葉が

踏みつけられて割れる

命の入れ物さえも

命が終わった後大切に保管などしてくれない

きっと掃除をしなかったら

ここは塵が積もっていく


葉は自ら下に向かって

勇気を出して落ちていくんだ

命を捨てることになるのに

抵抗もせず落ちていくんだ

寿命をきちんと理解しているから


あそこに生えてきた芽は

まだ新人のようだった

きっと来年は青々とした景色が見られる


枯葉は

いつも静かに

寂しい地面で優しく笑う


箒が乱暴に

彼らを閉じ込めるまで

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る