1-4 外部者ー後編ー
格闘家のような服装をしている“プレイヤー”は、返り血を浴びたフィロメールを見ては畏怖の表情をしていた。
「ば、化け物っ……!こんな、初級のダンジョンに居るなんて聞いてないぞ!?」
「トネリコ、彼女の治療を頼める?」
「あぁ、わかった」
トネリコは血を流して倒れているウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女に駆け寄り、神聖術式を使っては傷を一気に治療しては完治させていく。
「さて……、まさかの狼煙になる形になるなんて思わかなかったけど……」
「そうやねぇ」
血のような色をさせた糸のようなモノが、“プレイヤー”達に絡みついては空中に吊るされていてパーシヴァルは目を細めては笑みを浮かべていた。
「ひぃっ!?こうなったら、ろ、ログアウトか帰還の翼を使えっ!!」
「させへんよぉ、そんな事を」
血のような色をさせた鬼火の蝶の群れがパーシヴァルの影から出てきては、“プレイヤー”達へと群がり“消えない焔”が彼らを焼き尽くしていく。
「そういえば、気になったんだけど」
「なんやぁ?」
「私達が“外部者”を殺した場合って、“外部者”ってどうなるのかなって」
「さぁ?もしかしたら、元の世界に強制送還か……もしくは、“未帰還の死亡”じゃないか?知らないけど、興味無いし」
トネリコはウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女を膝枕して寝かしながらも、周りの現状を見ては興味なさげにしてからウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女を姫抱きに立ち上がる。
「んふふっ、気になるなら“偵察の眼”で探ってあげるでぇ?」
「頼める?もしも、後者なら都合がいいけどね……殺る覚悟があるなら、殺られる覚悟を見せつけるだけ」
パーシヴァルは両手を前に差し出せば、その手のひらから血のような色をした“鴉”を生み出すと空へと飛び立たせる。
「首都の方へと飛ばしたで?アレで、周りの現状を“視る”のも“聴く”のも可能やわぁ~」
「何か目星のある話が手に入ったら、その都度教えてくれる?」
「んふっ、エエよぉ~」
「んじゃあ、トネリコは彼女を抱えたまま歩ける?」
「ん、大丈夫」
パーシヴァルは遺体を鬼火の蝶の群れで燃やしてから、フィロメール達と共に渓谷から出ては大森林の中へと入り込む。
「この辺りは、別名“迷いの大森林”って言われているけど……“とある目印”で出口が何処なのか把握出来るんだよね」
「へぇー、そうなんやねぇ~」
「……昔、ヴェテルさん達に“見つけ方”を教えてもらってね?“目印”によっては、行く場所の目的地が全部違うから気をつけるようにも言われたっけなー……そうそう、これこれ」
フィロメールは物陰にある岩に刻まれている“古代文字”を見つけては、パーシヴァルとトネリコに見えるように見せる。
「これは、私達が居た首都への道標だね」
「へぇ、これが……」
「ぅ……」
「あ、起きた」
「!?!?」
ウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女が目を覚ますと、トネリコやパーシヴァル達を見ては慌てて起き上がりトネリコから離れると警戒しては短剣を向ける。
「だ、誰っ!?あ、アイツらの仲間ですか!!?」
「いや、落ち着いて?逆に、“外部者”から助けただけなんだけど」
「えっ…」
「えーと、ね」
フィロメールがウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女に事の経緯を説明をすると、ウサギ耳がフードの隙間から見えている幼い少女はフードを取ると、白寄りの灰色のウサギ耳を生やしたボサついたセミロングをしていて、青色の瞳色をした少しツリ目をしている。
少しボロボロのフード付きのマントを着ていて、その下には盗賊のような服装を着ていて腰にはポーチを身に着けていて、お尻には白寄りの灰色のウサギの尻尾を生やしている姿を露わにしては、その場でフィロメールの目の前で土下座をしていた。
「ご、ごめんなさいっ!き、気が動転していてっ、それに急いでいたからっ」
「いや、気にしてないけど……何を急いでいたのか、教えてくれる?」
「……お兄ちゃんが、アイツらに捕まって“テイムしたから、市場のオークションに出そうぜ”って……もうじき、開催されるから急いでいてっ!」
「………それって、さっきの首都?」
白寄りの灰色のウサギ耳の幼い少女が小さく頷くと、フィロメールはパーシヴァルとトネリコを見れば二人は小さく頷いてフィロメールは座っては白寄りの灰色のウサギ耳の幼い少女の目線に合わせる。
「その開催される“市場のオークション”に、案内って出来る?怖い思い、させるかもしれないけど」
「っ、はい!」
「あ、そういえば!名前を聞いてなかったね」
「マルルって、言いますっ……これでも、“魔ウサギ族”で“魔術”に特化してます!だ、だから、手伝えると思うっ」
「うん、わかった!でも、無理は禁物だからね?ヤバいとか、怖くなったらトネリコの側に居るんだよ?」
「はいっ!」
フィロメール達は来た道を走って戻り、さっきまで居た首都へと入ればマルルの案内で市場通りの奥にある“市場のオークション会場”という看板を見つける。
「この先っ」
「わかった」
「で、でも、お金っ」
「大丈夫、大丈夫!“オークション”の買い物ぐらいなら、そこそこ持ってるし!」
フィロメールはVサインをしながらもパーシヴァル達を見てから、その会場の中へと入ると沢山の“プレイヤー”達が集まっては品物が書いてある電子モニターを眺めていた。
「アレです!“カルロ”って、書いてあるヤツです!“カルロ”は、マルルのお兄ちゃんなんですっ!」
「アレだね……」
「“目玉商品”とか、巫山戯ておるやろ~クソやなぁ」
“カルロ”と書かれた文字の横には“目玉商品”と書かれていて、パーシヴァルとトネリコは嫌悪を感じていた。
「これじゃ、“闇オークション”やで」
「ってか、人身売買とか最悪じゃね?」
「……本当、腐ってる」
「んで、どうするんよ?」
「……開始が最後なら、裏から潜入して先に救出するよ」
「なら、今なら監視もあらへんよ」
「ん、なら行こうか」
パーシヴァルの“鴉の眼”で会場の裏の状況を把握して、その会場裏へとフィロメール達は向かえば其処には沢山の品々が並べられていて、大きな檻が一つだけ置かれているのを見つける。
「お兄ちゃんっ!!」
「………………その声は、マルルっすか」
「迎えに来たよっ、もう大丈夫だからねっ」
「なんで、来たん?なんで、逃げなかったっ?なんで、此処にっ」
マルルが檻に近づくと檻越しで黒寄りの灰色のウサギ耳を生やしたウルフカットで、青紫色の少しツリ目のジト目をしている。
ファー付きの少し長めのポンチョを着ていて、その下には狩人のような服装を着ていて腰にはポーチを身に着けていて、お尻には黒寄りの灰色のウサギの尻尾を生やしている青年がボロボロで立っていた。
「治療さえもしてないの、アイツら」
「アンタらは……」
「この人達は、襲われていたマルルを助けてくれたの!それで、この人達に頼んだのっ……マルルのお兄ちゃんを助けてって!」
「誰だ!其処に居るのは!此処は、関係者以外立ち入り禁止だと、」
「五月蝿いでぇ、蠅の癖に」
管理者の係の人が来て騒いだがパーシヴァルが、その男性の背後にいつの間にか立っていて鉄扇子で男性の首を切り裂いて殺していた。
「フィロメールちゃん」
「わかってるよ」
フィロメールは懐から特殊なナイフを取り出しては、檻の鍵穴に差し込めば真っ二つにして檻の扉を開ける。
「お兄ちゃんっ」
マルルが泣きながらもカルロに抱きついてカルロは、マルルの頭を優しく撫でてからフィロメール達の方を見ていた。
「感動の所で悪いけど、急いで此処から離れるよ」
「ういっす」
つづく→
物語の“その後”、セカイの行く末は @nruse_nek
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