2 上の気持ち


俺には妹がいる。

それはそれは可愛い妹だ。


母さんは妹ばかりを見る

服を買う時だってお菓子を買う時も晩御飯を作る時も全部妹優先だ。

ある時、妹が熱を出した。

俺も運悪く体調が悪かったんだ。


「母さん…頭、痛くて…その、学校休ませてほしいんだ…」


「そんなのダメよ!!○○ちゃんも体調不良なの、ねぇ分かるわよね?大丈夫よね?お兄ちゃんだもんね?」


【お兄ちゃん】

その言葉がずっと頭に張り付いて、

嗚呼、一生お兄ちゃんっていうレッテルを貼られて我儘も言えずに生きていくんだな

って思った。

好きでお兄ちゃんになった訳じゃないのに

お兄ちゃんお兄ちゃん、

お兄ちゃんも大変なんだ。


優先されるのはずっと下

下のお手本になって、我慢しなくちゃいけないのは上の仕事


勉強も運動も、何もかも上手くやらないと

誰も見てくれないから

上手くやって、上手くやって、失敗してもまた挑戦して…

それの繰り返しでしんどくなっていく。


「我慢しないでいいの」


そう言うわれたのはいつだっけな

そんな俺が生きてる理由は1つある。


こんな俺にも親友がいるんだ。


大切な、死んでも守りたい俺の

"一生の親友"

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