いつか
りめんじゃこ
1 認めてもらうために
私の両親は私と兄を比べる。
兄と私は正反対だ
なんでもそつなくこなせる優秀な兄と
何をやっても駄目な私
いつだったか忘れたが、
周りは私を「出来損ない」「真面目な馬鹿」 などと呼ぶ
私だって振りをしている訳では無い。
勉強法を変えてみたり、先生に聞いたり、自分に出来ることは沢山した。
それでも足りなくて、図書館に行って勉強、休み時間もずっと勉強をした。
そして、兄は何も勉強していなかった。
だからこそ次のテストには自信があったんだ。
後日、テストが返却された。
自分では点も上がって、嬉しくて嬉しくて、その気持ちで家に帰った。
兄は
全教科満点だった。
なんで、私より勉強してない兄が私より上の点数をとるんだ
母さんは言った
「…また満点じゃないのね、点も高くないし、ホンットに出来損ないね?アンタなんか産まなきゃよかった…あーあ、失敗作だわ」
ごめん、ごめんなさい、出来損ないで
でもお願い母さん
兄じゃなくて私を見て。
私を認めてほしいの
そこからは何を話しても「お兄ちゃんは…」で済まされる。
私は、つい考えてしまった。
私がいなくなったら泣くのかな
いや、流石に泣くよね。
それでも辛いものは辛い。
小さい時からだ
兄の方がおやつが豪華だったり、やりたいことをやってたり、頭を撫でてもらったり、手を繋いで貰ったり
私が最後に頭を撫でてもらったり手を繋いだのはいつだったか、もう忘れてしまった。
何もしなくてもできる兄と
努力しても実らない私
まるで私は粃みたい。
なんで産まれちゃったんだろ。
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