第15話 砂漠ととっとこ歩くよ機械さん Ⅱ
夜の砂漠。
暗闇で、光るものは月しか存在せず、冷寒の世界であった砂漠にて、九名の者が居た。その一人がギリシャ神話でオリュンポス十二神の座を所持している最高位の海神ポセイドンである僕。その他の八名は僕の眷属である。
一名はアムピトリテ。僕の伴侶であり、夜天誅を統べるリーダーである。その力はギリシャ神話の眷属を所持している神の中でトップクラスの実力を持っている夜天誅のリーダーをしている事もあり、神界隈では半精霊半神という不安定な種族に関わらず、その実力はギリシャ神話内の大半の神々以上であると話題だ。
半精霊半神としての権能はいつの間にか生えてきていた水流を司るというもの。
一名は
アムとは別の意味で異端、異常と神々から称されている程だ。夜天誅での位置としては、第二席以外にも、今回のようなアムが不在の時に他の夜天誅を統べる代理人である。
一名はアモン。神と悪魔はその仲によっては敵対をしたり、共闘関係になったり、友となったりと、色々とあるが、僕とアモンの関係は忠誠の仲である。悪魔とは自由奔放で、制御が効かない事で有名であるが、アモンの場合は別だ。
アモンは他の悪魔と違って、本気で僕に忠誠を誓っている。けれど、最初からこの性格だった訳では無い。僕と出会った時は自由で自己中心の典型的な悪魔。
しかし、共に騒ぎ、共に同じ道を行き、共に茨を体験し、共に苦しんだ。何百年、何千年、何万年と歩んで来た。その歩んだ軌跡のお陰か、絆は友から親友、戦友。そして……今のような主と配下の関係に至った。
ちなみに、僕と出会ってから今までの長さは、アムと
一名はアルビオン。並行世界の__認めたくないが__ポセイドンとアムピトリテから生まれた巨人である。オリュンポス十二神と海の神として大きな力を持つアムピトリテから生まれたアルビオンは強大な力を持っている。
最初は忌まわしき父親の並行世界の姿である事から、警戒を全開にしていたが、アルビオンの世界のポセイドンとは違う性格に心を許してくれた。
まあ、それが行きすぎてしまって配下となってしまったのだが。本当に何故こうなった。
一名は
案の定、と言うべきか、卵から出てきたのは幼い八岐大蛇であった。まあ、脳筋が態々嫌いなギリシャ神話の神を呼んで押し付けるなんて、厄介事でしか無い。けれど、強力な配下となった事に関しては礼を言いたいね。
一名は玉藻前。あらゆる国の長を誑かし、国を混沌に堕としてきた大妖怪の白面金毛九尾の狐である。
ちなみにだが、
しかし今はそんな事無く、真面目に仕事に向き合っている。困り何処としては、僕の第二の伴侶になるつもりの所だけど。まあ、僕からアムを奪うつもりが無いから、良い方だけど。
一名は土蜘蛛。あらゆる蜘蛛の怪異を統べる王。王としての力は名だけでは無く、何故蜘蛛の王たらしめるのか、それを表している。
夜天誅の中では特殊枠であり、他が魔法兼戦士であるのに対し、土蜘蛛だけ
ちなみにだが、夜天誅以外の喧嘩を収める苦労属性という稀有なものも持ち合わせている。
一名は牛鬼。……僕はギリシャ神話の神の筈なのに、最強の眷属集団(僕の)の中で日本関係が半数を占めているのはどういう事なのだろうか。
まあ、それはさておき、牛鬼は玉藻前、土蜘蛛、大蛇の三体と比べて、それ程問題行動は起こしていない。寧ろ、
一部の何も知らない
「ほんで?ワイ達を呼んだのは?なんぞ理由があるんやろ。マスターの事やさかい」
「まあ、大体予想は付くけどね」
「ポセイドン様が呼ぶのは限られておりますし」
「見たら一時で頭の中に叩き込まれちゃうから。あー、この人怒ってんだなーって」
そう口にするのは日本陣営。上から牛鬼、土蜘蛛、玉藻前、大蛇。仕事が来るまで気楽にしているが、僕がギリシャ神話の関係で拾ってきた四柱は別。何時でも戦闘が可能なよう、緊迫とした空気になっていた。
「分かっていると思うけど、戦闘だよ。久しぶりに神としての怒りに火が付いた。夜天誅としての真の役割。天誅を降す者として、動け」
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