第7話魔式と絶対強者たるバグ神

僕とロストは武器屋の店主に平原に連れられた。ロストはまあまあ面倒臭そうしていた。なんか少し申し訳なくなってきたね。まぁ、少ししか感じてないし別にどうでも良いか。僕がそんな事を考えているとロストから急に睨まれた。


「急に睨んできてどうしたのさ。僕がなんか君に悪い事でもした?」

「いやアンタ、俺が面倒臭そうにしていたのをどうでも良いって思ったでしょ。俺はアンタと繋がりを持ってるから何となく分かるんですよ」


そうロストに言われて僕の顔には冷や汗が流れてきた。そういえば僕がロストを使徒化する時に近くにいる時に少し感情を共有できるようにしたんだった。どうしよう、こういう時はどうすれば良いんだ?そうだ!ロストの嫁さんからロストは甘い物が好きって言ってたよね。


これ終わったら甘い食べ物奢ってあげよう。色々と案内してくれたしそれぐらいはしてあげても良いでしょ。そんな事を考えていると猿の魔物が襲ってきたので魔力を一本の線に変えて猿を二つに切り分ける。そんな事をするとロストはため息をつき、店主は唖然としていた。


「アンタねぇ、自分が強いのは自覚してたでしょうが。少しは加減してくださいよ」


僕はロストにそんな事を言われて顔に手を被せる。これはやらかしちゃったかなぁ。僕が前に降臨した時はロストが魔王倒す前の魔境時代だったからなぁ。だとしたら仕方ないのかな?だってその頃は冒険者のみんなが強くて、人間域を守ってたし。あの時代は魔境時代とも黄金時代とも言われてたからね。


「す、凄えな、凄腕の少年。アンタみたいな年齢のヤツがここまで強いなんて思わなかったぞ。そういえばだが、アンタの名前を知らねえな。アンタの名前は何て言うんだ?」

「あはは、そういえば言ってなかったね。僕の名前はカイヨウ、ただのカイヨウだよ。というか僕は少年っていう歳の年齢じゃないんだけど。もう大人の年齢だよ?」


僕がそう言うとロストは初めて知ったような顔をしていた。当たり前か、僕のこの偽名はロストには初めて言ったのだから。まぁ?態々ロストに言う必要とか無かったしね。仕方ない、仕方ない。僕がそんな事を考えていると呆れた顔を浮かべた。諦めてくれ、ロスト。知ってると思うけど僕は割りかし大雑把なんだ。


そんな事を考えていると此処から10km離れた所から近寄ってくる魔物の反応を感じ取る事ができた。この気配的に先ほど真っ二つにした猿の親玉かな?そんな事を考えながら魔力による結界を発動する。親玉の猿は僕が結界を貼ってから数秒後に巨大な拳で殴りに来た。


僕の結界と親玉の猿の拳がぶつかり合う時、大きな魔力が周りを襲った。この親玉猿、あんな雑魚の猿の親玉の割に強いね。俗に言う突然変異って言う魔物か。突然変異の魔物ってどうしてこんなにも面倒臭いのに面白そうなんだろうね。


僕は結界の魔力に更に魔力の結界を上乗せする。そしてその結界を変化させて衝撃が付与された魔力にする。そうして魔力の衝撃で吹き飛ばすのだが、親玉猿は空気中の魔力を蹴って此方に向かってくる。やっぱりこの世界に存在していた歴代勇者じゃ討伐できない身体能力をしてるな。技術もしっかりとしているみたいだし。


やっぱりこの何十倍の強さを持った魔王を討伐できるロストってバグレベルの強さだったんだね。そう考えながら肘で親玉猿の腹に叩き込む。すると親玉猿は勢いよく吹っ飛んで行った。僕は吹っ飛んだ親玉猿に追いつくために魔力に水という属性を付与する。そしてそれの性質を雷に変化させる。こうする事で更なるスピードが手に入るというものだよ。


魔式『水纏・疾風迅雷』


僕は水色の雷を纏うと追撃をするために親玉猿を追いかける。それから僕は親玉猿の顔面に蹴りを叩き込んだのだが、さっきの腹よりも少し硬かった。へぇ、纏った魔力の性質変化で己の顔を硬化したか。結構な技術じゃないか。独学でソレは結構凄いね。そう考えていると親玉猿の背中には魔法陣が刻まれ始めた。ハ、ハハハ!己の身体を利用して魔法陣を刻んだか!


「それは己の寿命を早める様なものだよ?そこまでして僕に勝ちたいか?」


僕がそう言うと親玉猿は咆哮をして返事をした。いいね、面白い。そういう面白いヤツは結構好きだよ?僕はそう思いながら魔力を更に張り巡らせる。僕が親玉猿の様子を見ていたら親玉猿は何も無い空間を殴ったと思ったら空気が僕に向かって襲いかかってきた。


僕はソレを手刀で切り裂く。この技は僕が使う地震の権能に近いところがあるね。僕の地震は直接空間に影響させる。だからこんな事も可能なんだよね。僕はそう考えながら手を翳して地震の権能を発動させると親玉猿が発生させた空気の攻撃を打ち消す。僕がそうすると親玉猿は咆哮をし、魂を変化させた。




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□魔式

天式のような天力を使ったヤツの魔力版。これは結構な数の者たちが発動可能である(それでも稀代の英雄レベル)


□バグ認識

ポセイドンはロストの事をバク認識していたが、ポセイドンの方もちゃんとバグっている。というかポセイドンの方がバグが酷いまである。


補足:ちなみにだが、実の家族にまでバグ神と思われている。そりゃ(修行し始めてから数千年で天式まで到達して数万年で極式まで到達したら)そうよ。


□カイヨウの名前

ポセイドンの本名はポセイドンだが、神名は二つある。ポセイドンとカイヨウである。ポセイドンはクロノスから名付けられたのだが、カイヨウは神力を使って己で付けた。


補足:神名の別の名が日本っぽいので日本神話から勧誘が来ているのだとか。

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