第3話海水ちゃんと伴侶

鍛錬仲間になったから海水ちゃんの名前を付けたいけど何にしようかな?僕がそう考えながら海水ちゃんの頭を撫でる。海水ちゃんの頭ってひんやりしてて気持ち良いね。でも本当にどうするべきかな?海水ちゃんの名前だから結構真面目に考えないと何だよね。僕はそう考えながら思考に神力に『加速』が付与されたのをぶつける。


思考加速をしてから何時間も考えていた。ちなみにだけど思考時間だよ?僕は海水ちゃんの名前を考えていると名前が降りてきた。まるで天啓を与えられたみたいなそんな感じだ。まぁ、僕が与える側なんだけどね。


「海水ちゃん、君の名前を決めたよ。君の名前はアムピトリテだよ。略してアム!よろしくね!」

「はい!よろしくお願いします。海神様!」


僕とアムがそんな事を言っていると僕の中にある神力がアムに与えるような感覚が襲いかかる。僕にとっては極小で1%も減ってはいない。だけど減った事には変わりない。一体どうして?そう思いながらアムに向かって神眼を使って鑑定をしてみるとステータスが分かりやすく表示された。


しかし僕にとってはステータスが現れたのなんてどうでもいい。そんなの眠る前に確認したんだからね。だけど僕が驚いているのはその結果だよ!神力を与える感覚があったからもしかしてとは思ったけど。まさか本当に僕の勘が当たるなんてね。


ステータス

名前:アムピトリテ 性別:女性 種族:半精霊半神オブ・ツイン

レベル:1

称号:異常精霊、海の意思、自然の意思、海神ポセイドンの眷属、海神ポセイドンの伴侶

スキル:一定無効、攻撃軽減、海操作

権能:海様ポセイドンの繋がり


という風になっていた。僕が一番驚いたのは二つ、眷属になっているのと伴侶になっているのだ。そういえばだけど僕の前世のギリシャ神話でのアムピトリテって海神ポセイドンの妃だったよな。そのせい、そのせいなのか?悩んでても仕方ないね!神にだって未知は存在するんだよ!僕がそう心の中で叫んでいるとアムは不思議そうな顔をして僕に尋ねてくる。


「あ、あの?ポセイドン様?疲れたような顔をしているのですが、私に名前を付けたことで迷惑を掛けましたでしょうか?」

「いや、そんなんじゃないよ。ちょっと訳わからん事態に遭遇してね。君も本人だ、言っておこうか。アムが僕の眷属になっちゃったんだよ。もう一つあるんだけど凄く言いにくいんだけど…………アムが僕の伴侶になっちゃった」


僕がそう申し訳なさそうに言うとアムは顔を真っ赤にしている。まあそりゃあ生まれたばっかりなんだから初心だよね。というか顔を真っ赤にしながら混乱しているアムは可愛いな。


「本当に可愛いなぁ。何でこんなに可愛いのか謎だよね」

「へ!?か、可愛いなんて…………」


アムはそう言った後にキャパオーバーになったのか海に倒れそうになった。僕はアムを支えるのだが、アムの柔らかさを実感してしまう。そして僕はアムの顔をきちんと見てみると、とても可愛い子だと再確認できた。整った顔立ちに日焼けを知らない真っ白な肌。そしてとても透き通ったような青色の魅力的な髪。僕はアムを見れば見るたびに顔が熱くなってしまう。


やばい、最初は何とか解除しようとしてたのに、それなのにずっと僕の物にしたくなっちゃう。僕はアムの魅力に引き込まれそうになり、独占欲が暴走しかけるが必死に抑える。落ち着け、ここで暴走しても良い事なんて何も無いぞ。今の所の伴侶は僕なんだ。他の神がアムに恋をしようとも有利なのは断然僕の方なんだ。


もし暴走してしまったらアムに嫌われる事になるぞ。それだけは断じて許可してはならない。だからこそ落ち着くべきだ。となると更に僕が強くならなきゃいけないね。アムに手を出すヤツはゼウスお兄様だろうと……………潰す!僕はその考えになった時、感情が怒りと覚悟に染まり、周囲に神力を撒き散らす。


僕がそうしているとアムが苦しんでいるので急いで停止させる。まずはアムを休ませる事から始めないとね。僕はそう考えながら海を操作して海で造られた宮殿を用意する。僕は宮殿に入るときちんと内装が出来ていて寝室もあった。造る時に頭の中で想像しておいて良かったな。じゃないとアムを寝かすのに更に時間が掛かる所だった。


僕はそう考えながら寝室にあるベッドにアムを寝かす。本当に可愛いな。出会ってから数時間も経ってないんだけどなぁ。それなのにこんな独占欲を抱いてて、重い恋愛感情を抱いてるなんて知られたら嫌われちゃうかな?その時は……………………全力で束縛をしてあげるからね。僕以外を考えられないように、永遠とね。


僕はアムと同じベッドに入り、抱きつく。アムは海の精霊だから冷たかった。しかし冷たすぎるというほどではない。常人よりも少し冷たいというぐらいだ。ふふふ、それも僕と同じだね。これも運命なのかな?僕がそう考えながらアムに向かって離さないように抱きしめる。それから僕はアムが起きるまで何時間も抱きしめた。




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□神に近しい者の眷属化

神力を持つ者ならばどの生物にも理論上眷属にはできる。しかし眷属化には大量の神力が必要である。なので容易に眷属化が可能なのは高位の者でも極一部の者しか居ない。


結論:海の異常精霊を眷属化させたのに1%も減っていないポセイドンは可笑しいのである。確かにポセイドンは海の神なので海関係の者の眷属化は他の神に比べれば有利であるが、ほとんど変わらない。まあ、オリュンポス十二神に並べられているのでそこら辺はオリュンポス十二神クオリティで納得してもらいたい。


更に結論:ポセイドンは絶対に普通の神じゃない!

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