写真の共有
写真の特性は記録だ。
では、人は何のために写真を撮るのだろうか。
個人的記録のため。
そして、他者への記録の共有のため。
そのどちらかに該当するのではないだろうか。
後者は、自身の記憶の他者への譲渡、とも置き換えられるように思う。
家族間での共有は個人的記録に近しい共有の在り方として、他者への共有は自身の記録、記憶に加え、経験をも共有できるだろう。
写真は、カメラという機械を通して撮影する。
もう少し具体的に述べると、ファインダーと言う自身の目線の一部を切り取るような形で記録するものだ。記録にあたっては、被写体の選択や構図の決定と言った撮影者の経験が必ず付与される。
個人的記録としての写真も去ることながら、他者に向けて共有される写真は非常に興味深く、写真ならではの面白さがあるように思う。
記録、記憶と呼べる写真の在り方に経験が付加されることで、個性が宿るからだ。
写真展や写真集として纏められた一人の撮影者の考え方や思想、経験の一端をそこに見ることができる。
この点に他者の写真を眺めることへの真髄があるように思うのだ。
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