写真とは何か

そもそも写真とは何だろう。

写真で何ができるだろう。


写真は、カメラという機械を用いて、その場の光を何らかの方法で転写したものだ。

こう言う読み物では大抵カメラオブスクラの成立が引き合いに出されるが、これを読む貴方はまたその話から始めるのか、とうんざりするだろうから、この場での詳細は割愛したい。


写真は必ずしも貴方が目にした光景とは一致しないかも知れない。だから「真実を写す」と言う意味合いの「写真」という言葉は適切ではないのだろう。


だが、写真は紛れもなく記録することができる性質を持っている。

現実ではないかもしれないが、その場に確かにあった光景を記録できるのだ。


そもそも、貴方が目にした光景は本当に現実と言えるのだろうか。


「正しい光景」や「現実」は本来存在しない。それらは私や貴方の主観である。

そんな主観とは別に、写真は記録ができるのだ。


SNSが発達した現在、今後述べる必要があるだろう「SNS写真」の一形態に「サイドマックス」なるものがある。

彩度が過剰な写真のことだ。そんな写真は一部の者から否定されがちだが、それらもまた記録であるのだから写真なのだ。


この前提に基づいて、昨今勃興したAI技術による画像生成についても考えたい。

2023年の世の中、この文を書く現在において、AI写真はこれまで述べた前提に基づく写真とは言えないと考える。


画像ではあるが写真ではない。


かと言って、AI写真を否定できるかと言うと、そうではないと考える。

技術が進み、個人の記憶の読み取りが可能となり、そこから過去の記憶を画像にできたとしたら?


それは紛れもない写真だろう。


そのような技術が成立するなら、もはや念写のようなものだが、そんな技術が成立する日もいつかは来るのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る