第12話 庭園
冬休みも終わり、学校がまた再開した。
「うーだりぃー」
「なんだよタカシ!元気だせって!」
「余計なお世話だこのやろー」
普段は力をセーブしている、こんなの学校でつかったら大変なことになっちゃうからな。
休憩時間はゲームの時間だ。
とりあえず買った百花繚乱をクリアしないとな。
「おっ!それ買ったんだ?どう?面白い?」
「全然つまんない、だって選択式の会話に戦闘もそんな力入れてなくてさ。これならスマホのゲームのほうが何倍もマシだよ。
ん?スマホのゲームは適応されるのか?
俺は学校が終わったらダッシュで家に帰り、ヴァルハラ王国に入る。
「お帰りなさいませご主人様」
「ただいま久遠!何か変わりは?」
「翠がすこし嘆いていました。獣臭くてたまらないと」
「まだインフラもしてないからな、あれだったら久遠の独断で人を変えてもいいからな」
「はい!」
俺はスマホに手を伸ばしゲームのアプリを起動する。
『スキルが追加されました』
やった!これで色々とまたできるぞ!
まずはこれだな、ファイナルエンドブレイクFEBと呼ばれる歴代の
「FEB召喚」
「おぉ、どこだここは?」
「
「そうだが」
「そうか」
「とりあえずは軍についてくれ」
「わかった」
有名なキャラだけあってかっこいいなぁ!
後は有名なパズルゲームでパズルをクリアして庭園を完成させるゲームだ。庭園パズル起動と、
『スキルが追加されました』
庭園は城の裏でいいか。
「庭園召喚」
「おぉ!すごい庭園だな」
「綺麗なお庭ですね」
「まぁ、まだまだなんだけどね」
チューチューランドのパズルゲームもあったけどあれは後にしよう。
いまは獣王国のインフラをどうにかしないとな。上下水道作って道路作ってと、獣王国はまだこんなもんでいいか。
あれリーナは?
「リーナを呼んでくれるか?」
「はい!」
「お呼びでしょうか?」
「エルフの国はこんな感じでインフラは大丈夫なのか?」
「エルフは元々排他的といいますか、ニンゲンを嫌ってまして」
「なぜ?」
「人間はすぐに死んでしまうからですわ」
「そりゃ何百年もいきるんだしな」
「だから恋をしても悲しむことの方が多いのです。だから最初から人間に関わらないようにしているみたいです」
そっか、なら無理やりはやらない方がいいな。
「わかったよ、ありがとう」
「いえ、王様こそエルフのことも考えてくれてありがとうございます」
「いや、どうせなら一緒に暮らすのもいいんじゃないかって思っただけさ」
後は魔王は海を渡った先にいるんだよな?なら放置でいいかな?
リーナは考えているようだったが無理強いは良くないよと言って帰した。
王様をやっていると陳情がくる。
それに目を通していくとどこの何が壊れただの、どこの村を街にして欲しいだの、自分たちでやれよ的なものも多い。
が、俺しかできないことだからやるしかないのだが。ゲームのように此処に設備を増やして街にするためにインフラを整備して後は大工に任せたり。
そう言えば妲己達三人組はどうしているのだろうか?
「聞くところによると真面目にしているみたいですよ」
「そうなんだ!やっぱゲームを進めて良かった」
ゲームを進めると忠誠度や好感度が上がるシステムだからな。ゲームと連動してるとやりやすいな。
ガイルは兵士長にまで上がっている。さすが脳筋だ。元王とは思えないくらい似合っている。みんなの生活が豊かになってくるのは見ててとてもいい。俺がきた当初は一人寂しく開拓してたっけ。
それがこんな都市に生まれ変わるなんてな。
「大変ですぞ!」
「どうしたんだ?ケビン」
「魔族がこちらに向かってきているとのことで急いでやってきました」
「穏健派じゃなかったのか?」
「聞いたところによりますと魔王は穏健派でその弟は武闘派のようで」
「まーたややこしくなってきたな」
「でいつ来るんだ?」
「もう上陸しているようで此処にもすぐに」
“バン”
と扉が開いて、
「邪魔するぜ。俺は魔族の王魔王の弟、アデルだ」
俺たちは唖然としたまだ子供じゃないか。
しかも連れは二人だけ。
「なんのようだ?」
「あのよ!此処みたいな街を魔族領にも作りたいんだが作ってくれねーか?」
「今は無理だな」
だって学校あるし。
「やだ!作ってくれないと泣くぞ!」
「まだ春休みが来ないから無理だ」
「ヤダヤダヤダヤダ!街の人に聞いたぞ!王しかこんなことできないって!」
「そりゃそうだが、こっちも何かと忙しいんだよ」
「ヤダァー」
と泣き出してしまった。
「おのれ!王子様を泣かせるとは、許せません!覚悟!」
と、お付きの方が怒り始めるし。
「だからこっちが忙しいから後でやるって」
「ヤダヤダぁー」
こっちは片手間にお付きの方の相手をしながらだが流石にむかついてきた。
「ふっざけんな!」
「ひっ!」
「すぐ行ってやれないのは悪いが行かないとは言ってないだろ」
「はい」
「お月の方もいい加減にしてください」
「はい!」
よっぽど怖かったのかしゅんとしている。
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