第11話 英雄伝説SR


 ヴァルハラ王国の東に位置する森が獣王国の領土となるらしい。俺たちは久遠の運転する車で獣王国を目指していた。

「じゃあ、獣王国にも奴隷制度があるの?」

「はい、捕まえてきたニンゲンを奴隷魔法をかけて使っています」

「なーんだ。じゃあ、やっぱり人間と変わんないじゃん」

「私みたいに弱い獣人は何も言えなくて」

「あー、別に責めてるわけじゃないよ?どこもこっちの世界は一緒なんだなーと思っただけ」

「こっちの世界?」

「ん?あぁ、気にしなくていいよ。それより道はこっちであってるの?」

「はい!私は嘘の道を教えて奴隷を増やす役目を任されてましたからこっちが本当の道です」

「そんなことまで…本当に力を持った人間ってのは欲深いね」

「私はヴァルハラ王国に忠誠を戦います!だから安心してください」

「あ、ありごとう」

 ケビンの崇拝度が上がってる気がする。


「こっちです!そっちの道には罠が仕掛けられてますので」

 ケビンのおかげで山道もスイスイ登っていくと王都と見られる場所に出た。

「此処からは私が」

「ヴァルハラ王国の王をお連れした!道を開けろ」

「ケビン宰相、どうしたのですか?」

「いいから早く門を開けろと言ってあるのだ」

「はい!」

 門が開けられ王都が見えると人間たちが馬車馬のように働かされている。

「我慢なさってください」

「あぁ、わかってる」

 交渉でも同じようにケビンが動いて道を開けていく。

 王の前に現れたのは俺たち四人ケビンと俺と翠とメイだった!

「お初にお目にかかります。ヴァルハラ王国の王、タカシと言います」

「ケビン?何故ヴァルハラ王国の王を此処に連れてきた?よもや謀反ではないだろうな?」

「その通りです。私はこの国の未来のために私の命をヴァルハラ王国に賭けたのです!」

「と言うことは王の俺と力比べをしようってか?カーハッハッハッ!そんな人間如きが俺に勝てるつもりでいるのか?馬鹿なことを」

 確かに筋骨隆々で立派な鬣のライオンの獣人だが、そんなに強いと感じないのはレベル差のせいだろうか?

 俺はカセットを一応チェンジしといて英雄伝説SRに変えてある。


「じゃあ、拳で語り合おうじゃないか?」

「ほう、できるかな!」

「ガオオォォォォォ」

「ウラッ!」

 俺の山にストレートと奴の拳が当たった瞬間奴の拳が粉砕された。

「ギャアァアアァァァア」

「これで俺の勝ちだな」

「まっまってくれ!」

「なんだ!」

「王の座は賭けていない!だからここはワシの国じゃ!皆のものであえ!女を先に始末するのだ」

「私たちも舐められたものね?」

「ご主人様ほどじゃないけどけっこうやるのよ?」

 久遠と翠はかかってくる兵士を一蹴するとケビン達を守るような体制をとる。

「王の座は俺がもらってやるよ!今日からヴァルハラ王国だ」

「ふざけるなぁ」

“ドォン”

 蹴り飛ばすと王は吹き飛んで王座に座ってる。意識がないようだ。

「よしまずは奴隷の解放からだな」

「「「はい」」」

 俺は王座から元王を退かすと足の下に敷いて他の奴に命令する!

「お前らも早く動け!」

「は、はい!」

 人間の奴隷の中にエルフの奴隷も混じっていた。

「大丈夫だよ、ヴァルハラ王国が助けてあげるからね」

「は、はい、ありがとうございます」

 涙ながらにお礼を言ってくるのはリーナと言うエルフだった。

とりあえず王は平民になり回復魔法をかけてやると元気が出たのかもう一度勝負を挑んできたのでコテンパンにのしてやったら素直に言うことを聞くようになった。


 それにしても英雄伝説SRの魔法まで使えるなんてやっぱりチートだな。

 元王は俺のところで兵士として育てることにした。

 此処の獣王国だった場所はケビンと翠に任せて俺は王城に向かう。

「大将?大丈夫なんですかい?」

「何がだ?」

「あそこは力こそ全ての弱肉強食の世界ですよ?王の座を狙うものも多かったんですぜ」

「なら翠がいるから安心だな、な?久遠」

「はい!あれくらいなら私でも余裕ですからね」

 車を運転しながら久遠は笑っていっていた。


 王都に着くとリーナと元王(ガイルと言う名だった)は驚いていた。車が普通に走っていて皆が普通に暮らしている。近代都市だからだな。

 

「二人とも此処で暮らしてもらうよ!リーナは学校にも通わないといけない年だろ?」

「私はもう200歳はこえているので学校は大丈夫です」

「「えぇー」」

 三人とも驚いた。こんな可憐な美少女が200歳こえてるなんて。


「ま、まぁ、いいや、じゃあガイルは兵士になるんだな」

「おう!腕がなるぜ」

「俺はこの国を変えていきたいからそのつもりで頑張ってくれよ」

「「「はい」」」

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