第8話 チューチューランド
こちらは連合国。
円卓を囲んで男達が言い争っている。
「聖教国を、なぜ守れなかった!」
でかい男が口を開く。
「そんならお前がいけよ!」
太っちょな男が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「なぜかと聞いているんだ」
「あんなでかい乗り物初めて見たわい」
「そんなにでかいのですか?」
メガネをかけた男がそう聞くと、
「聖教会よりでかいわい」
「それではあちらの切り札でしょうな」
メガネの男が笑う。
「何より一人も殺しておらん」
でかい男が大声で笑いながら言う。
「あいつらは人を殺したことがない」
「ふん。ワシは降りるぞあの化け物より怖いものなどあるか」
「それは困ります連合国として発表したのだから」
「そんなの知ったことか!お前らも同じ目に合えばわかるのじゃ」
「聖教国はわたしが押さえに行きましょう」
メガネの男が言う。
「わかったわい」
太っちょな男はしょうがなしに折れた。
帝国側では。
「ヴァルハラ王国に今なら勝てます!」
「そうは思えんがな」
「私に軍隊を任せていただければ必ず」
「好きにせえ、ワシはもう疲れた」
帝王は争いに無関心だった。大きな領土を持っている為、色々と気苦労が多いのだ。
「は!それでは必ずや勝利を帝王様に」
「いいからいけ」
軍事隊長のライアーは燃えていた!
此処でいいところをみせて王国を我が手に入れてやる。
ヴァルハラ王国にいたっては、
「キャアァァァァァ」
チューチューランドの開園式が行われていた。
「みんな今日は乗り放題だよ楽しんでいってね!」
みょーに声の高いチューチューランドのマスコットキャラクター、チュー太郎が大声で叫んでいる!
「もう一回乗りましょうよ」
「妲己は絶叫物が大好きだった。
「いきましょう!」
それは久遠も一緒だった。
ミラーハウスではクレオパトラが頭をぶつけながら何回も入っていたし。
かぐやはポップコーンを買ってもらいご機嫌だった。
翠はシトラスと恐怖の館に入って絶叫していたし。
立花は観覧車で景色を楽しんでいる、みなが楽しめるように作れてよかった。
奴隷だった二人の兄妹もさんかしてもらっていたが面白そうに遊んでいたので作った甲斐があった。
チューチューランドは山の中腹に待てたのでまたいろんなとこから来れるようにしておいた。
俺はこれから元聖教国のインフラに着手しようとしている。ゲームでできるのでなんとかなるが、なかなかめんどくさい。
とここでなぜか元聖教国がまたも乗っ取られた。シトラスも呼んだからいないのはわかるがなんでまた?
「おいおい、またかよ?懲りてないの?」
「ほうあなたがヴァルハラ王国の王ですか?自ら出向くなんてどう言うことでしょうか?」
「ちょっと野暮用でな」
「ほう、あなたは今包囲されてるのに怖くないんですか?」
「こんな奴ら何人いようが敵にすらならねえな」
「な。やっておしまいなさい」
「うおぉぉ」
“ごき!”
「だから次元が違うんだって」
“ドォン”
「今度はこっちから連合国に殴り込みに行くから覚悟しとけよ」
“バキバキ”
「は、はは!あなたは自分の欠点をまだ知らないのですね?らあなたは人を殺したことがない」
「んーないねぇ」
「それがこれからあなたを狂わすでしょう」
「そうかな?殺さなくても死んでるしな殺したのと一緒かな?」
「そう思っておけばいいでしょうが、いざ殺さないといけない時に」
「たらたら文句ばっか言ってんじゃねえぞ」
“バキャ”
「あー今殺したかもな」
「いひゃいぃぃぃ」
「死んでなかったか」
俺は四人まとめて外に放り投げると、
「さっさと帰れ、此処は俺の国だ。そっちももうすぐ俺の国になるけどな」
「あはゃたにはひごくをみへてやりまふから」
「なにいってっかさっぱりわかんね!さっさとかえれ」
馬車に乗って帰っていく姿を眺めていると、殺していたらどんな気分なんだろうと思ってしまった。
今日はいいか、インフラはまた今度で。
そんな時に帝国側が攻めてきたとの知らせが入る。走ってその場に行くとせっかく作ったものを壊されたのと、女子供関係なく殺しているのでキレてしまった。
「俺の前でなにしてんだ!」
思いっきりぶん殴ったのは生まれて初めてだった。グシャって音と共に人が死ぬのを見た。俺が殺した。俺がこの手で。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
そこらにいた赤い鎧の帝国軍は逃げる間もなく壊滅した。
一人残らず死んでいた。
「このクソッタレが!」
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