魔王学園の用務員さんは元勇者 ~これは、俺が勇者やってた頃の話なんだけどな~

ぺぱーみんと/アッサムてー

魔王学園の用務員さんは元勇者 ~これは、俺が勇者やってた頃の話なんだけどな~

1:スレ主

なーなー、聞いてー聞いてー

バンバンバンバンバンバンバン

バン     バンバンバン

バン (∩`・ω・)  バンバン

 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/

   \/___/ ̄



2:名無しの異種族

おぅ?


3:名無しの異種族

どした?


4:スレ主

俺が通ってる学校の用務員のオッサン(25歳 独身)が、元勇者だった件


5:名無しの異種族

は?


6:名無しの異種族

は?


7:名無しの異種族

は?


8:名無しの異種族

は????


9:名無しの異種族

は??


10:名無しの異種族

なんだなんだ

面白そうな話題だな


11:名無しの異種族

え~釣りだろ


12:名無しの異種族

勇者ってアレじゃん

邪神滅ぼしたヤベェ奴じゃん


13:名無しの異種族

スレ主、お前担がれたんじゃね?


14:名無しの異種族

なんで勇者が用務員なんてやってんだよ


15:名無しの異種族

そうそう

勇者は世界救った褒賞を人間族の王様と、魔王様、両方からもらって

いまや悠々自適に隠居生活決め込んでるはずだぞ


16:名無しの異種族

邪神はなぁ

魔族にとっても、自分たちを滅ぼしかねない存在だったからなぁ

倒してくれてありがとー状態だったらしいし


17:名無しの異種族

つーても、それも10年前の話だけどな


18:名無しの異種族

そもそも、なんでスレ主の通ってる学校の用務員のおっちゃんが、勇者だってわかったんだよ??


19:名無しの異種族

元勇者なら、せめて貴族子女が通う学校の警備員だろ

やるとするならさ


20:スレ主

話せば長くなるんだけどな


21:スレ主

アレは俺が、同級生たちと馬鹿やって

校舎の3階から、適当に机を校庭へ投げ落としていた時のことだ


22:名無しの異種族

おい、待てや


23:名無しの異種族

この悪ガキが、校内荒らしてまわるな

備品を壊すな

( º言º)


24:スレ主

その日、騒ぎを聞きつけて駆けつけて来たのは

それまでいた、魔王学園での用務員歴50年の大ベテランのおじいちゃん用務員じゃなく

今ここで話題にしてる、人間族で元勇者のオッサン用務員だったわけだ


25:名無しの異種族

一応言っとくと、25歳はおっさんじゃねーぞ

若造もいいとこだ

45歳のおっさんより


26:名無しの異種族

そうだそうだ

25歳でオッサンなら、78歳の俺はなんなんだよ?

仙人かなんかか??ああ?!


27:名無しの異種族

>>26

打ち込まれた文字だけだと、中身の年齢ってぶっちゃけわからないよね


28:スレ主

駆けつけてきた用務員さんは、目にも止まらぬ早さで

俺と仲間たちを飛び蹴りで沈めた


29:名無しの異種族

用務員さん強いwww


30:名無しの異種族

魔王学園の生徒って、仮にも次世代魔族の貴族や、他ならない魔王候補が通うエリート校だよなぁ


31:名無しの異種族

エリート候補生を足蹴にするとは

用務員さん、只者じゃねーな


32:名無しの異種族

>>31

スレ主曰く、元勇者らしいからな

そりゃ只者じゃねーだろうよ


33:名無しの異種族

え、じゃあ用務員さんは、飛び蹴りで身バレしたん?


34:スレ主

いいや

この時は、なにが何だかわからなくてさ

俺の仲間の何人かはこの出来事が信じられなくて、用務員さんへ闇討ちを仕掛けたんだ

全部返り討ちにされてたけどな


35:名無しの異種族

うわぁ


36:名無しの異種族

やべぇな


37:名無しの異種族

わりとガチめに疑問なんだが

なんで世界を救った英雄が用務員なんてやってんだよ??


38:スレ主

返り討ちにされた仲間らは病院送り

闇討ちに加わらなかった俺は、後日、贖罪として用務員さんの手伝いをするよう言いつけられた

それも一ヶ月な


39:名無しの異種族

闇討ちに加担しなくて正解だろ


40:名無しの異種族

初回はあきらかに手加減して

2回目から容赦してないのがわかる


41:スレ主

手伝いって言っても、学園の敷地内の清掃なんだけどな

放課後に、それ手伝いながら聞いたんだよ

なんでそんなに強いのかってな

その時は答えてくれなかったんだ


「口より手を動かせ」


ってピシャリと言われてな


42:スレ主

仕方ないから、別のことを聞いたんだ


43:名無しの異種族

おい、言われた通りに仕事しろよ


44:スレ主

だって黙ったまま窓ガラス拭くのって慣れてなくてさ

拭きながら


「なんか面白い話ない?」


って言い続けたら


45:スレ主

面倒くさくなったのか、生徒同士の抗争で穴の空いた壁を補修しながら


「これは、俺が勇者やってた頃の話なんだけどな」


って語り出したんだ


46:名無しの異種族

いきなりのカミングアウトで草


47:名無しの異種族

自分だったら、こんな話の切り出し方されても

たぶん、信じなかったと思う


48:名無しの異種族

>>47

それな


49:名無しの異種族

>>47

わかる


50:スレ主

この話が結構面白くてさ

今日で、贖罪のための手伝いして1週間になるけど

冒険の裏話とか聞けて楽しいんだ


51:名無しの異種族

裏話って、たとえば??


52:スレ主

なんで用務員さんが勇者に選ばれたのか、とか


53:名無しの異種族

え、強いからじゃないの?


54:名無しの異種族

実際、世界救ってるしなぁ


55:スレ主

用務員さん曰く、勇者は何人もいたんだって

用務員さんは、その中でも補欠の部類だったんだとか


56:名無しの異種族

へぇ、そうなんだ


57:スレ主

勇者は神託によって決まったらしい

そうして世界各国から様々な種族の勇者が集められて、邪神討伐の旅に出るぞってなった矢先、邪神に仕える神官やら将軍やらが襲撃してきた

完全なる奇襲で、集められた勇者達の9割が死んだらしい

残った一割がどうにかこうにか準備を整えて世界を救う旅に出たんだけど


58:名無しの異種族

けど??


59:スレ主

本来なら生き残った連中で、何組かパーティを組んで協力していかなきゃいけない状態だったんだ

でも用務員さん、ただでさえ補欠扱いだったから、生き残り連中に邪険にされて一人で旅をする事になったんだって

役たたずを仲間とは認めないーってな


60:名無しの異種族

え、マジか

世界の危機だっつーのに、プライドが邪魔したんだな


61:名無しの異種族

でも、邪神倒した時には勇者にも仲間がいたはずだろ?


62:名無しの異種族

たしか、エルフのお姫様にドワーフの長の息子にオーガのこれまたお姫様、と結構色んな種族で構成されたパーティだったはず

そうそう、今の魔王様も仲間にいたんだよな

当時はまだお姫様だったけど


63:スレ主

最初は一人でスタートだったんだってさ

俺達がよく知る、世界を救った勇者パーティはこのちょっと後に結成したんだって


64:名無しの異種族

しかし、スレ主は用務員さんが勇者って気づかなかったん??


65:スレ主

気づかなかったなぁ

肖像画と全然違ったから

なんて言うか用務員さんって、目が死んだ魚みたいでさ

こう、人生に草臥れてる感じがあってな


66:名無しの異種族

|・ω・`)フムフム


67:スレ主

肖像画の方は、ほら、ガチで創作物の主人公みたいに

目がキラキラしたヒーローって感じだから


68:名無しの異種族

ビフォーアフターが激しすぎわけね


69:スレ主

>>68

それそれ


70:名無しの異種族

この十年で、勇者になにがあった


71:スレ主

なんかさー、アレみたい

せっかく招集に応じたのに、蓋を開けてみたら補欠扱い

まぁ、断れなかったから仕方ないとは本人も言ってるけど

加えて本来なら仲間として協力しなきゃならない、他の勇者達からは邪険にされ

旅先の村や町だと、勇者の名簿と簡単な人相書きが出回ってたけど

補欠の用務員さんは、手違いなのか意図的なのか情報がなく

勇者だと名乗っても偽物扱いされた

さらに、石は投げられるは、ぶん殴られるは散々な扱いされて


        _

       /\ \

   __/  / ̄/

  /\  _\/ /_\

  /  / ̄ ∧_∧ 僕は世界のために

  \/__(;・ ∀・)  戦ってるんだ・・・

   /  と    ノ ハァ

   /  人  Y ハァ

   \/し'(_)



こんな状態だったのが、ある時ポキっと折れたっぽい



72:名無しの異種族

そりゃ、人間不信にもなるな


73:名無しの異種族

よく闇堕ちしなかったなー

というか、それ石投げてきた連中逆に殴り殺しても不思議じゃない扱いだよな


74:スレ主

途中でバカバカしくなって、正体隠して旅を始めたらしい

理由は、あちこち行くのは楽しかったからってことだ

で、溜まったストレスをモンスターやら、とある村を襲ってきた邪神側の幹部をはっ倒すことで解消してたらしい


75:スレ主

その強さに最初に惚れ込んだのが、我らが魔王様だったわけ


76:名無しの異種族

なるほど


77:スレ主

当時、邪神軍の侵攻をなんとか食い止めようとしてた関所に、邪神軍の幹部がやってきて

壊滅状態になった

でも、それは威嚇みたいなもので次は確実に皆殺しにあうのは確実だった

そこに、フラりと現れたのが用務員さんだったんだってさ


78:名無しの異種族

あー、なんか聞いたことある

ネーア関所のやつか

有名だよなー


79:名無しの異種族

>>78

有名なの魔族領や亜人種の国で

人間領の方だと、このネーア関所の戦い、誰も知らんぞ


80:名無しの異種族

え、そうなの?


81:名無しの異種族

へー、そんな戦いがあったんだーってなった人間族です


82:名無しの異種族

たしかに、自分、人間領に留学してたんだけど

なんかの折に向こうの学生と、勇者の偉業の話になってさ

自分、このネーア関所の話好きだから、てっきり話し相手も知ってるものと思って話振ったら

向こうだと知られてなかったなぁ

むしろ、そんな話はない、嘘つくなって言われたし


83:名無しの異種族

>>82

自分の知ってることだけが世界の全てと思ってそうだな、その話し相手


84:名無しの異種族

>>82

いるいるwww

そういう人


85:名無しの異種族

自分の知らないこと=嘘

いるなぁ、たしかに...( = = ) トオイメ


86:名無しの異種族

しかし、ネーア関所の戦いなぁ

魔族領だと戯曲にもなってるし、かなり人気の英雄譚なのになぁ


87:スレ主

>>86

魔王様が用務員さん連れて、その戯曲見に行ったらしいんだけど

用務員さん、サブイボだらけになって帰ってきたみたい

曰く、


「あんなん、俺じゃねぇ。

役者の人は、イケメンだし演技上手いからファンになったけど。

あんな倒し方してねぇ。

使ったのは剣じゃなくて、平手打ちだ。

あんな臭いセリフも吐いてねぇ」


ってことらしい


88:名無しの異種族

ま、まぁ、多少の改変はね

色んな人が観る、お話にするわけなんだから仕方ないよ


89:名無しの異種族

自分の役やった人のファンにはなってるの草


90:名無しの異種族

平手打ちで邪神軍の幹部倒してたんかいwww


91:名無しの異種族

しかし、なんかスレ主の書き込みが所々ライブ感あるのなんでだ?

自宅かどっかで書き込んでるんだろうけど、なんていうのか横に当人がいて、確認しつつ書き込んでる感じがする


92:名無しの異種族

言われてみれば、たしかに


93:スレ主

え?

当人いるけど?

なんなら、魔王様もいるけど??


94:名無しの異種族

は?


95:名無しの異種族

は?


96:名無しの異種族

は?


97:名無しの異種族

はい??


98:名無しの異種族

え??


99:名無しの異種族

んん??


100:スレ主

流石に特定される情報書き込むんだから

本人の許可は必要だろ?

用務員さん本人に、


「この話面白いから、掲示板に書き込んで良いっすか?」


って聞いて、色々説明した上で許可もらった


101:名無しの異種族

マジか


102:スレ主

そんで、用務員さんが掲示板に興味もったらしくて

横でこの掲示板見てる

あ、もう手伝いの時間は終わっててな

なんならお茶の一杯でも飲んでけってことで用務員室でお茶飲みながら、この掲示板建てて、打ち込んでた


103:名無しの異種族

な、なるほど


104:名無しの異種族

\( ˙꒳˙ \)ヘーイヘーイ(/ ˙꒳˙ )/

用務員勇者さん、見てるー??


105:名無しの異種族

いえーい、用務員さん見てるー??


♪  ∧_∧ ∩

 r( ^ω^ )ノ

 └-、  y⌒>

   \ ωノ⌒

    ( (  ♪

     ̄


♪  ∩ ∧_∧

   ヽ( ^ω^ )7

  <⌒v  r┘

   ⌒ヽω ノ

     ) ) ♪

      ̄



106:スレ主

ちなみに、魔王様も仕事サボってお茶飲みに来たから

一緒に掲示板見てる

時々、仕事サボってこうしてお茶飲みにきてるんだって


107:名無しの異種族

え( ̄▽ ̄;)


108:名無しの異種族

魔王、様、だと?!


109:名無しの異種族

………んんん???


___    見えませ~ん

∥    |     ∨

∥現実 ∧_∧   .ヘ∧

∥ \ ( ・∀・) (゜A●)

|| ̄ ̄⊂   )  (   と)

凵    し`J   U U



110:スレ主

あ、寮の門限近い

もう帰るわ


111:名無しの異種族

えええ、待て待て待てwww


112:105

この状態で放置プレーすんな!!

羞恥心で興奮するだろ?!


113:名無しの異種族

>>112

なんの話ししてるんだ、お前は


114:スレ主

用務員さんと、魔王様の許可ももらったし

好評みたいだから

また気が向いたら書き込みにくるよ


115:スレ主

じゃ、またな(・ω・)ノシ


116:名無しの異種族

スレ主、不良っぽいのに

寮の門限は守るのな


117:スレ主

うるさいな

いいだろ、別に( *¯ ³¯*)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

魔王学園の用務員さんは元勇者 ~これは、俺が勇者やってた頃の話なんだけどな~ ぺぱーみんと/アッサムてー @dydlove

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ