第14話 異世界人

貴族「なんで人間なんかと仲良しごっこしなきゃならないんだ!僕はお断りだね!」



話を聞いていた貴族が言った。



貴族「あいつらを消すか?いや、僕が疑われるにちがいない…そうだ!魔物狩りのときに誤って殺してしまったということにすれば…?」



そういい、不敵な笑みを浮かべるのであった…



一方、三人は…



ロナ「それじゃ人間の国王に会いに行くの?でも人間は魔族より相手のことを嫌ってる。王都に魔族がいるなんて知れたらサヤ殺されるわよ?」



レド「フードで隠せばいいんじゃないか?バレたらまずいから盲目だということにして俺たちが手を引く。そうすればフードを被っていてもおかしくない…」



サヤ「いい作戦!それでいく?ロナ。」



ロナ「いいわね!そうしましょう。」



三人は王都でフードと包帯を買ってさっそく人間の王都に向かうことにした。



サヤ「道中暗殺に気を付けなきゃだね。誰かが聞いてたかもしれないし…」



そのとき…草むらからハンターボアが飛び出した。それもかなり大きいサイズの。



レド「またハンターボアか…またあれやるぞ!」



サヤ「うい!」



ロナが弓を撃ち、気をひいている間にレドが木の上に登る。サヤは下へ潜り込み下から攻撃、レドは上に乗り上から攻撃する。ナルシスを助けたときの作戦だ。



しかし…



ズドンッ



三人のものではないクロスボウがハンターボアに命中する。



サヤ「誰かいる…?」



貴族たちとその部下だろうか。五人ほどの集団がいた。



ロナ「ありがとう、それで…あなたたちは…」



ズドンッ



もう一発クロスボウが発射される。



それはレドに向けられていた。



間一髪、サヤが自らの手を犠牲にレドを守った。



ロナ「ちょっとあんたらなにする…」



奴らは一斉にクロスボウを発射する。



サヤ「ロナ!逃げるよ!木の間を縫うように走って!」



三人は逃げ出す。その間にも奴らはクロスボウを撃ってくる。



しかし森の中だったのが幸いで、クロスボウは木に当たりほとんどが折れたり刺さったりして命中しなかった。



しかし一本だけ…当たってしまった…



サヤの心臓部に…



サヤ「ぐっっ!!う…歩け…な…」



レド「サヤ、大丈夫か!?抜いたら治るが見られたら困る…ほら、あと少し…肩貸すからいくぞ!」



ロナ「私も支える!サヤ、頑張って!」



レドとロナはサヤを支えながらなんとか逃げ切った。



「あいつらはどこにいった!?探せ!」



草むらに隠れ息を潜める…



レド「サヤ…抜くからな…!」



サヤ「うん…お願い…」



傷口を傷つけないようゆっくりと抜き、サヤの傷は再生していく…



ロナ「え…?なんで傷が治っていくの…?」



レド「あとで説明する。今は早くここを離れよう。」



湖の近くに避難した三人は話し始める。



レド「単刀直入に言うと、俺たちはこの世界の奴じゃない。女神から頼まれ別の世界からきたんだ。この世界を救ってくれ…と。」



ロナ「いやいや、そんなの信じられないよ…」



サヤ「本当なの…別の世界でウイルスに感染してね、こんな体になったんだ。二人とも中身は人間だよ。」



ロナ「………だから二人は種族間のことに疎かったのね…わかった。信じるわ。それより傷は?大丈夫なの?」



サヤ「体力を消耗するだけ…大丈夫だよ…」



息を切らしながらサヤは言った。



レド「急に言って悪いが…混乱すると思ってな…」



ロナ「そうね…絶対信じてなかったわ多分。」



ロナに異世界から来たという真実を伝えた二人。無事に王都へたどり着くことができるのか?

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