第13話 ワンピース

サヤ「ちょっロナ!これは着れないよ!露出しすぎだって!」



ロナにとんでもない服を持ってこられた。例をあげるとバニーガール、水着、下着など…レドは選ぶのに時間がかかっていてサヤを見てないのが救いだが…



サヤ「もう!ロナは持ってこないで!」



ロナ「なんでよ!かわいいじゃない!」



どうやらロナは服のセンスが皆無らしい…かわいいの基準がずれている。かなり。



サヤ「ていうかレドは?まだ選んでるのかな…」



レドはというと…



レド「あー、すみません。彼女に似合う服を探しているんだが…どれがいいと思います?」



店員に聞いてみるほど悩んでいる様子だった。



店員「女性ものの服ですね!どういったものを探されているんですか?」



レド「着心地がよくてかわいいワンピース…あります?」



店員「ありますよ!持ってきますね!」



そういって店員はワンピースを持ってきてくれた。



レド「あ、これなら…!ありがとう、いいのが見つかった。」



店員「いえいえ!よろしければ彼女さん拝見してもよろしいでしょうか?」



レド「どうぞ。似合ってるかどうかわかんないので…」



サヤ「レドー。いつまで待たせるのさ!」



レド「あ、今行くよ!こっちです。」



レドと店員はサヤの元へとむかった。



サヤ「店員さんに聞いてたの?それで…どんな服?」



レド「これなんだが…」



サヤ「わ、綺麗…着てみる…」



しばらくしてサヤが着替え終わる。



サヤ「あ、開けていいよ…」



カーテンを開けると…白いシルクのワンピースを着たサヤが立っていた。見ていた者全員がうっとりと見つめてしまうほど美しかった。



サヤ「ど…どう?似合うかな…」



レド「…うん…似合ってる…綺麗だ…」



ロナ「レド!これ選んでくるなんてやるじゃない!」



レド「いや、俺じゃなくて店員さんが…」



店員「………すごくお似合いです…!買っていかれますか?」



サヤ「はい…!買います!」



そして、サヤの服選びは終わった。店の外にて…



サヤ「レド…ありがとう…」



レド「いや、俺が見たかっただけだし…」



少しぎこちない会話がしばらく続いた…



サヤ「それじゃ国王様に会いに行く?」



ロナ「社交辞令とか勉強しなくて大丈夫かしら?」



レド「冒険者を呼ぶぐらいなんだから大丈夫だと思うが…」



そう話しながら三人は城へとむかった…



門番「なにか招待状をお持ちですか?」



サヤ「あ、案内人の方に渡されたものが…」



サヤは案内人に渡された紙を門番に見せた。



門番「はい、大丈夫です。お通りください!」



三人は無事城へと入ることができた。

入ると先ほどの案内人が立っており案内してくれるようだった。



案内人「王都はお楽しみいただけたでしょうか?」



サヤ「はい!とても!すごくいい場所なんですね。」



案内人「我らが自慢の王が治める場所ですから!さ、お入りください…」



そして三人は国王がいる部屋へと案内された…すると…先客がいたようで、国王らしき人物と話をしている。



先客「人間など王都に入れるべきではありません!」



国王「私は人間と魔族、両種族の和平を願っておる。そなたの意見は聞けぬ。」



どうやら国の方針について話し合っているようだった。すると…



国王「すまぬが客人が来た…このことは後で話そうぞ。」



そういうと、先客は立ち去っていった…



国王「申し訳ない…国の方針の話を聞かせてしまって…このことは口外せぬようにな…」



サヤ「もちろんでございます。それで…話というのは…?」



国王「単刀直入に言うと私は君たちに人間と魔族の架け橋になってほしいんじゃ。いつまでも仲が悪いのは私も嫌でな…そこで提案だ。人の王都に行き、王と話してきてほしい。私は両種族の平和を願っていると…」



レド「大変光栄なんだが…なぜ俺たちなんです?」



国王は少し笑いながら言った。



国王「レドとサヤは恋人の関係にあると聞いておる。魔族や人間などといった肩書きなど見ずにな…それを見込んでのことじゃ。一国王がそんなことでと思うかもしれんが…」



ロナ「そんなことはございません。素晴らしい考えだと思います。私たちも同じです。」



サヤ「ぜひ、引き受けさせてください!」



国王「よい返事が聞けてよかったよかった…じゃが、危険も伴うぞ?」



レド「それでも俺たちはやります。両種族の平和のために。」



国王「感謝してもしきれないぞよ…」



国王は深々とお辞儀をし、謁見は終わった。しかしその話をきく輩がいた…



「魔族と人間が平和にだって?冗談じゃない…!」

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