第2話 ナンパ野郎

サヤ「ここが…魔族の…町?ものすごく栄えてる…」



行商人「そうじゃろう…この町へ来るのは初めてかい?珍しいねぇ。」



サヤ「あ、はい…田舎者なので…」



そういって行商人と別れたサヤ。町を散策してみる。



サヤ「よくあるやつだと…ギルドとかいうやつがあるはずだよね…」



サヤがギルドを探していると…



「よう嬢ちゃん…一杯付き合えよ。」



典型的なナンパというやつだ。



サヤ「悪いけど先約がいるの。黙らないなら…」



そういい、サヤはナンパ魔族に逆壁ドンをかました。パラパラと壁が崩れそうな音がする。



「ば、化け物…!」



そして、男は逃げていった…



サヤ「こういうとこにもナンパ野郎はいるんだな…」



追い返したところで、またギルドを探し始める…





一方…レドはというと…



ロナ「はい!ここが町です!」



レドの目の前には広大な大地にたたずむ、栄えた町があった。

人の交流も多く、冒険者だろうか。剣を持っているものもいた。



レド「ロナ、本当にありがとう。助けてもらった挙げ句案内まで…」



ロナ「いえいえ!ギルドまで案内しましょうか…?その身なりだと冒険者になるんだよね?」



レド「あ、ああ…そうだな…」



最初に思い付いたやり方を選ぶことにした。とりあえず名声を手にいれることだ。

二人はギルドにむかい歩いていく…



レド「ロナ、魔族ってどんなやつだと思うんだ?」



ロナ「……私の親は魔族に殺されて…家も奪われました…だから、魔族を見かけたらなるべく殺すようにしている…」



暗い顔をしながらロナは言った。



レド「すまん、嫌なことをきいたな…でも、全ての魔族が悪いかというとそうじゃないよな。少なくとも俺はそう思うよ…」



ロナ「レドは優しいんだね…でも、それ絶対言わない方がいいよ。人間は基本的に魔族を憎んでる。生まれた時からそう教えこまれるの。レドは…違うみたいだけど…」



二人が会話をしていると、ギルドについた。

ロナはなにかを差し出す…



ロナ「こ、これ…私の…ギルドの名刺みたいなやつ…よかったら持ってて。見せれば信用にも繋がる…と思う。」



そう言い残し、ロナは去っていった。



レド「名刺みたいなもの…か…渡すのが基本なのか?」



ロナとロナの顔がかかれたカードをレドは見ながらギルドに入った…

ギルドは賑わっていて、たくさんの冒険者たちがいた。レドは受付へと進む。



レド「あの…冒険者になりたいんだが…」



職員「なにか身分を証明できるもの…ありますか?」



レド「このカードしか持っていないんだが…」



レドがカードを見せると、ギルドにいた皆が驚く。



職員「ロ…ロナさんのカード…持っている人がいたんですね…」



驚いているギルド職員にレドが、



レド「そんなにすごいものなのか?ロナは名刺みたいなものだと言っていたが…」



職員「あの、ロナさんは凄腕の冒険者なんです。めったにカードを渡さない方で、大半の方は名刺交換のように渡しているのですが…」



レド「なるほど…ロナはすごい人だったわけか…それで、これで証明になるのか?」



職員「はい。ロナさんのカードをお持ちのかたなら信用できます。手続きを開始しますね。この紙の空欄を埋めてください…」



レド(面接みたいなものか…名前と…あとはこれと…)



レドが紙の空欄を埋めている時…サヤは…



サヤ「ここがギルドか…」



ギルドにたどり着いていた。だが…



サヤ「ずいぶんさびれたギルドだな…これが魔族では普通なのか…?」



町と比べると少々見劣りするようなギルドだった。サヤが中へ入ると…職員以外誰もいない…



サヤ「すみません、新規冒険者の受付ってやってますか?」



職員「冒険者になってくださるのですか!?ぜひお願いします!」



職員たちは急いで準備を始める…



サヤ「冒険者って少ないんですか?田舎からきたもので知らなくて…」



職員「はい。人間は冒険者が多いですから、魔族にとっては危険な職業なんです。魔物だけでなく、人間にも注意を配らないといけないですから…」



サヤ「そうなんですね…」



そういい、手続きを始めた…

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