遊ぶ前の買い物
「せっかく二人でいるので、どこか遊びに行きませんか?」
「いいな。テストも終わったし、いつメンの4人で遊びに行くか?」
そういうと大川は頬を膨らませてこう言ってきた。
「そういうことじゃないです!本当にそういうところですよ?」
「どういうところだよ……。」
「全部言わないとですか……?わ、私は、2人で行きたいんです……!」
そういうことかと言われてみれば思った。しかし、大川の言う通り全部言われずとも分かってあげるということは彼氏としては分かっておかなくてはならないことの1つなのかもしれない。
「大川、ごめん……。どこに行きたいんだ……?」
そう聞くと、少し考えた後でこう言ってきた。
「せっかくなのでプールとかどうですか?」
「プールか!ありだな。でも、水着とかあるか?学校指定のを着るのは嫌だろ?」
「あ、水着!すっかり忘れてました……。では、こうしましょうか。」
大川が提案してきたのは今日水着を買いに行き、日曜、つまり明日にプールに行くというものだ。
確かにこれなら問題なくプールで遊ぶことができるだろう。
「じゃあ今日は水着を買いに行って、明日プールだな。」
「そうですね!ここ数日暑い日が続いているのでプールには行きたいですね……。」
「確かに最近普通に36度とかだもんな……。溶けそうになる……。」
そんな会話をして外に出た僕たちを待っていたのはもちろん猛暑。それもそのはず。昼間は太陽が高い位置にあるので必然的に暑くなるのだ。
「暑いですね……。日傘を家に寄って持ってくるべきでした……。帽子と日焼け止めだけだとどうしようもないですよこれ……。」
「それ、帽子も日焼け止めもしてない僕の横で言うか……?」
「それは帽子をお母さんからもらってるのにつけない須井くんが悪いんですよ……?」
「いや、そんなこと言われても……。」
「まぁ、熱中症には気をつけてくださいね?倒れられたら明日行けないんですから……。」
大川はそう心配しているのか少し投げやりなのか分からないような言い方で僕に言ってきた。
「まぁ、気をつけるよ……。僕も倒れて救急車のお世話にだけはなりたくないからな……。」
そう言っている間に家の近くにあるショッピングモールに到着した。
「須井くん……ちょっと暑くて限界なので先に少し涼んで休みませんか……?」
「奇遇だな……僕もそう思ってたところだ……。これ以上歩いたら溶ける……。」
僕たちは案内板と睨めっこする。
「あ、ここどうです?」
「お、そこいいな!」
大川の提案で僕たちはとある店へと向かった。
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