星空の後で
「あ!また流れてきたよ!うち今2個目のお願い事しちゃった〜!」
「小松さん、流れ星の願い事って最初の1回しか効果ないらしいですよ?」
「え、嘘ぉ!?大川さん嘘だって言ってよ!うち沢山お願いしたいことあったのにぃ!」
そう言って小松はその場で地団駄を踏んでいる。
「でもまぁ、一番したいお願い最初にしておいたからいっか!」
そう言って小松はすぐに立ち直っていた。
「須井くんは何をお願いしたのですか?」
そう言って大川は僕の方をじっと見てくる。
「まぁ、ちょっと……。そんなに変なことではないけどな。」
「なるほどなるほど……。まぁ、深くは聞かないでおきますね。」
そう言って大川はまた何事もなかったかのように小松達の方へと戻っていく。
ここの星空は地域の人たちにのみ人気の場所で、案内雑誌にも載っていないような場所だ。
「この場所、
「そうだな……。この場所は隠れスポットだからな。ここにくる人は迷った人かよっぽどのもの好きしかいないよ。」
そんなわけで数時間僕たちはずっと星を眺めていた。
しばらく眺めていたが、その後は段々と曇ってきたことで流れ星は見えなくなってきてまった。
「わ!雨だ!くそっ!」
村川がそう言った頃には雨足は強くなり、地面がぬかるんできた。
「早く戻らないと風邪ひいちゃいますよ!ほら早く早く!」
大川はそう言って小屋の方を指さす。
僕たち4人は急いで小屋に戻ると、濡れた髪をタオルで拭く。
着替えは僕たちが小屋、大川と小松は家で着替えをすることにした。
「いやぁ、雨が強くなってきたな。まさかあんな綺麗な空だったのに曇って雨まで降ってくるなんてなぁ……。」
そう言って村川は着替えた濡れた服を部屋の中の洗濯棒に干している。
「はぁ……結構濡れた……。」
僕は濡れた服を干しながらそうため息をつく。
ふと時計に目をやるともう夜の9時だ。
「もう少しでお風呂入って寝たりしないとじゃないか……。」
いつも僕は11時くらいには寝るようにしているので、お風呂に入る用意をする。
「お前寝るの早いな……。俺なんかいつも1時くらいに寝てるぞ?」
そう言って村川はケラケラと笑う。
「いや、寝る時間遅すぎだろ……。もっと早く寝ないとお前体壊すぞ?」
そういうと村川はケラケラと笑ってそうかもなと言ってきた。
村川は本当にしばらくは寝る気はないようだ。
「はぁ、もっと早く寝ろよ?」
僕はそう村川に言ってお風呂の用意をして部屋を出た。
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