第2話
—だが、見つけ出すことはできるのか?
『ありがとう!多分、私の巫女としての力があれば前世で関係があった人達は分かると思うの』
—そうか。改めてすごいな、巫女の力というのは……
『ふふっ、そうだね。私も受け継いだ時には驚いたよ。そうだ、質問があればなんでも聞いて?』
—それなら、オトというのはなんだ?小さなキツネのようだが。
『んーとね、神社の守り神、みたいな?オトはね、その名の通り音が聞こえやすくなったり、人の感情が聞こえたりするの』
—ふむ、そうなのだな。先程、私に懐いたと言っていたが、どういうことだ?
『えっと、オトは基本的には力を受け継いだ人にしか扱えないの。でも、オトが力を授けたいと思った人も扱えるようになるんだよ』
—そうか。なら私はオトの力を扱えるようになった、ということなのか?
『そうなんだけど、制御が出来てないと力が暴走しちゃって、聞こえすぎることもあるから気をつけてね』
—分かった、気をつける。それと、もう一つ聞きたいことがあるのだが、良いか?
『もちろん!なぁに?』
—気になっていたのだが、もう一匹?いや、神なのだからその呼び方は違うかもしれないが、小さいキツネがいるだろう。そちらはなんなのだ?
『あっ、その子はヨチだよ。この子も名前の通り、予知能力があるの』
そう言って彼女は肩の上にヨチを乗せた。
—ヨチというのだな。私はまだその子の力が扱えないのか?
『ヨチはちょっと慎重だから、信頼されてからじゃないとダメなの』
—ほう、それなら時間がかかりそうだな。だが、其方には懐いているようだから危険なことがあったら教えてくれ。
『もちろんだよ!他には聞きたいことない?』
—あぁ、もうない。が、また気になることがあれば、その都度質問したい。
『いいよ〜あっ、そうだ一つ言いたいんだけど……』
—なんだ?
『えっとね、私のこと名前で呼んでくれないかなーって』
—ふむ、もちろん構わないぞ。
『ふふっ、うん!
—ありがとう。これからよろしく頼む。
『うん!そうだ、言い忘れちゃってたんだけど、今ね、凛ちゃんは私の記憶の情報量が多すぎて丸一日眠ってしまっているの。そろそろ起きると思うんだけど……』
—む?そうだったのか。では、また呼んでくれ。
『もちろん!きっと、起きたら世界は変わってしまってると思う。でも、凛ちゃんなら大丈夫だと思ってるからね!』
—そうだな、なんとかしてみせる。千緒からの頼みだからな。
『ふふっ、ありがとう。じゃあ、私は少し寝るね』
そう言い彼女は寝たみたいで、意識を奥の方に移していった。
そして入れ替わるかのように、私は起きて目を開けた。
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