第22話

最近バイトのせいで執筆時間が…!!

夜九時半くらいになってますw

そのせいで執筆は眠気との勝負なのだ…!!

それはともかく今回の話も楽しんでくれると幸いです!


――――――







カスミちゃんがいつ起きたか気になるけど、まぁいいや。

とりあえず、私は罠にも気を使いながらきちんと警戒もしないとだよね…


わーん!難しいよー!!


「凛、そこ罠」


「わぁぁっ!?

あ、あっぶなー…

リルちゃん、ありがと!!」


「…ん、気にしなくていい」


こんなやり取りや、


「あ、凛ちゃん敵いるよ〜?」


「わぁっ!?

ッ、えいっ!!

カスミちゃん、ありがと…」


言われて見上げると目の前には剣を振り上げているアイアンスケルトンが居た。

アイアンスケルトンは名前の通り鉄のような見た目の骨もどきだね!


まぁ硬さは骨よりも鉄よりも硬いんだけどね。

こいつの素材はかなり高値で売れるんだよね。

このモンスター、中層の下の方に居るくせに硬さは下層の下層部のモンスターと同じくらいだから、こいつの素材で作った武器、下層でも通じるし。


流石に下層最下層までは使えないけど、それまでなら使えるからかなりいい素材なんだよ。


だから武器、防具の素材としていつでも供給が足りてないんだよね。

世の中はいつでも需要と供給で回るから、需要はあるのに供給が足りてないとなると高値になるのは当たり前だよね。


私も前まではそれなりに攻撃しないと倒せなかったから、あまり狩ってなかったんだけど、今なら簡単に倒せそう。


とりあえず一度剣を払って体勢を立て直したから、どれくらい苦戦するか試してみようかな。

カスミちゃんの作ってくれた武器だから壊れないと思うしね。


「…【風纏】、ふっ…!」


でも一応念の為に切れ味をあげる、【風魔法】の中でも割と上位の魔法である【風纏】を使う。

これは、その名の通り風を剣に纏わせて切れ味をあげる魔法だ。


「わっ!?

い、いてて…」


思ったより簡単に真っ二つに出来てしまい、勢いをつけていたからそのまま転んでしまった。

なんていうか、恥ずかしいね…!


「んふふ〜、凛ちゃん可愛いね〜?」


「ん、可愛い、面白かった。

でも、魔法禁止なのに魔法使ったのは罰ゲーム。」


「あ、あはは…り、凛さん、あまり気にしないでくださいまし?

急にレベルが上がったらこうなるのも必然ですしね?」


「う、うぅ…忘れろー!!!」


「「「無理(だね〜)(ですわ)」」」


「うわーん!」


もういい!

先に行くもんね!


あ、勿論素材は拾ったよ。

そりゃ高値で売れるのに勿体ないことしないよ。

それはそれとして、罰ゲーム…怖いなぁ…


「ふっ、はっ…!」


流石に下層までくると簡単には倒せないね。

魔法使っていいなら、【風纏】を使えば倒すのは出来そうなんだけど…


でもあれも魔力消費シャレにならないからなぁ。

流石にあれなしでも頑張らないとね…


下層のモンスターを数匹同時に戦って、被弾をゼロには抑えれたけどそれなりに疲れたから、やっぱり魔法に頼ってたんだなって思ったよね。


:いや、なんで下層のモンスターを数匹同時に相手して、ソロで被弾ゼロで勝てんの?

:しかも魔法縛り

:うーむ、レベルってやっぱりそれだけ変わるんだね…?

:なんか満足してなさそうだけど、カスミちゃん達と会うまでは1匹ずつ相手にしてたからね!?

:ついでに言うとそれでもかなり疲弊はしてたし、2匹以上同時だったら怪我もしてた

:その度に魔法かポーションで回復してたけど、それでも被弾ゼロじゃなかった

:だから相当強くなってるの…あまり急いで強くなろうとしなくていいよ…!?

:充分国内でトップクラスだから!!


「ありがと、君たち。

でも大丈夫、急いではいるけど焦ったりはしてないからさ」


「ん〜、凛ちゃん〜、ホントに焦ったらダメだよ〜?

焦ったら動きが単調になるからね〜。

だからしっかりいつでも冷静に、だよ〜♪」


「…ありがと!」


「わっ!?

も、もー、ここダンジョンだし離れて〜!」


「あはは!

ごめんね!」


カスミちゃんに言われると、頭がなんかスッキリした気がするな。

もしかしたら少し焦ってたのかも?

自覚はないんだけどね。


「凛、次の敵。

凛がそれだけ疲弊するのは焦りすぎてたから。

動きを最適化させないと今の凛じゃこいつら苦戦するよ。」


「最適化…確かにしないとね。

さっきまでは早く倒さなきゃ!って気が強かったから、力みすぎてたのかな?」


「ん、体のどこに力を入れるかを考えるといい。」


「リルにしてはかなり具体的にアドバイスしますのね?

もしかして、凛さんのこと、相当気に入ってますの?」


「…マスターの大切な人だから、ただそれだけ。

他意は無い。」


「えー?

カスミちゃんも好きだけどリルちゃんとも仲良くしたいのに〜!

気に入ってくれてたら嬉しいんだけどな〜?」


ふい、と顔を逸らしながら一華さんのからかいに素っ気なく対応するリルちゃんを見て、私は突撃して抱きつく。

すると当然のように受け止められ、呆れたような、照れ隠しのような視線を向けられる。


「…別に、気に入ってないとは言ってない。」


でも直ぐに目が泳ぎ始め、返事をしてくれる。

ふふ、かわいいなー!

やっぱりカスミちゃんも、リルちゃんも、一華さんも全員好きだなー♪


「…凛、早く索敵に戻る。」


「はーい♪」


にやにやとしながらリルちゃんを見ていたら、怒られちゃった。

まぁ照れ隠しって分かってるからいいけどね!


「〜〜〜〜!!」


「ん?

へー!ジュエルスケルトンって珍しいね!」


こんなにほのぼのとした空気を出していても、空気を読まずに出てくるモンスター。

下層最下層でも珍しいモンスターであるジュエルスケルトンが出てきた。


まぁポケ〇ンじゃないんだから急に現れたりせずに、曲がり角の先に居たり、広間に居たりするんだけどね。


だからまぁ、割と遠くからでも見えるよ。

だからと言って魔法使いや弓使いが単体で潜るのはおすすめ出来ないかな。


「グァァァァッ!!」


「ッ、ふッ!!!」


こんな感じに、急に後ろの方からモンスターが生まれて来るからね。

ダンジョンのモンスターは自然界みたいに繁殖したりはしない。

その代わりに、ダンジョンから生まれてくる。


壁に急に魔法陣が浮かんだと思ったらモンスターが産まれてくるんだ。

この魔法陣を解析しようとした人もいたけど、まぁそりゃ懐石なんて出来るわけないよね。


「ガァァァ!!」


「〜〜〜〜!!!」


「って、考え事してないでとりあえずはこの熊と骨をなんとかしないとね…!!」


目の前にいるのはさっき説明したジュエルスケルトンと、熊…まぁ名前はブラッディーベアだよ。

名前の通り返り血を浴びたように真っ赤に染っている熊だね。


正直下層の中でもトップレベルに強いモンスターだね。

ジュエルスケルトンは中層のアイアンスケルトンの更に上の個体で、更に固くなった骨だね。


見た感じ、このジュエルスケルトンはルビーかな。

じゃあ炎には気を付けないとね。


ジュエルスケルトンは、アイアンスケルトンまでと違って魔法を使ってくる。

見た目通りの属性の魔法をね。


「グガァァッ!!」


「ッ、行くよ…!!

はっ!!」


「グガッ!?」


「〜〜〜!」


「勿論君も忘れてなんていないよ…!!」


「〜〜〜!?!?」


見た目からは想像もつかない速度で近付いてきて、爪で攻撃してきた熊の爪を剣で受け流し、そのまま肩から脇腹にかけて袈裟斬りにする。


さすがカスミちゃんの剣だね…!

特に労せず切り裂けたよ!


そして、隙をついて【炎魔法】で攻撃してきたジュエルスケントン。

【炎魔法】は攻撃力が高いからね。

流石に当たる訳には行かない。


私は剣の腹で、飛んできた炎弾を防ぎ、そのまま懐に仕込んでいた寸銅を全力で投擲する。

今までだったら少しひるませる程度の威力だったけど、レベルが上がったおかげで相当威力が上がっていた。


そのお陰でジュエルスケルトンの片腕を砕いた。

そのまま寸銅は、ダンジョンの壁に当たって特に凹ませたりはせずに地面に落ちた。


「まずは厄介な後衛から…ってね!」


「〜〜〜!!!」


とりあえず魔法使いを仕留めないと好きに動けないので、ジュエルスケルトンに向かって全力で走って近寄る。

勿論ただで近寄らせてくれる訳もなく、沢山の炎弾が飛んでくる。


全部避けながら近付けたらいいんだけど、そんなこと私は出来ないので、大体を避けて近づいて行く。

時折体を掠め、火傷をするけどまぁ必要な犠牲だ。


この服、気に入ってたんだけどなぁ…


「はぁっ!!」


「〜〜〜〜ッッ!!!」


「ふぅ…

ッ、そうだ、ジュエルスケルトンで終わりじゃない…!」


「グァァァァッ!!!」


「しまっ…!!」


「ん、凛、油断大敵。

後衛を狙う判断はいい。

けどそれで前衛に対して意識を向けないのは減点。

罰ゲーム追加。」


「ご、ごめん…」


「グ、ガ…!!?」


「ん、お前はさっさと死ね。」


「ガァァ!?!?!?」


私がジュエルスケルトンを仕留めて、一息ついた所で放置していたブラッディーベアが後ろから攻撃してきた。

私は少し油断してしまっていて、動きが間に合わなかった。


だけど、リルちゃんが私じゃ捉えられないスピードで私とブラッディーベアの間に割り込んで、片手でブラッディーベアの腕を掴んでいた。


そして私に注意をすると、謝った私を優しく見つめてきて、そのすぐ後にブラッディーベアを蹴り飛ばした。


その威力はブラッディーベアがひき肉になって、ダンジョン壁を大きく凹ませる威力。

あの小さい足のどこにそんな力があるんだろうね?


それはそれとして、罰ゲーム…怖いなぁ…ホントに…



:ダンジョンの油断はホントに危ないから気をつけてね!?

:凛ちゃんが死ぬかと思ってびびった…

:リルちゃんホントにありがと…

:まぁでも?油断はダメだけど、それはそれとして魔法なしでもこんだけ下層最強格と戦えるんなら充分強いだろ!!

:少なくとも日本ならトップレベルだね!


「まぁそれはそうだけど、リルちゃん達と比べたら相手にもならないよ。

ある程度強くなったから分かる、絶望的な力の差に驚いてるよね。

正直ここまで強くなっても三人のうち誰の強さもきちんと理解できてないもん。」


「んふふ〜、そう簡単に追いつけるほどボク達は甘くないよ〜?」


「まぁわたしは追いついて欲しいけど、まだ無理だと思う。

追いついたら一緒に鍛錬、しよう。」


「わたくしもその鍛錬入りますわ!!

リルはともかく凛さんには簡単には負けたくないのですわ!!」


「いや、一華さんと戦っても相手にもならいと思うよ…」


少なくとも追いつくには数ヶ月じゃ足りないね。

最低でも数年は頑張らないと足元にも近づけないね。

やっぱり、こんだけ時間がかかるんだったら焦っても今更だよね。


うん、頑張ろう!


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