第15話

【前書き】

遅れてすいません〜!!

実はうちのお猫様が体調崩してて、なんだかんだ10年くらい一緒なので寿命なのかと怖くて書く気が無くなってました…

ほら、今年って急に寒くなったじゃないですか?

そのせいで体調崩してたらしいんですよ。


それと、今回からは時間を21時投稿にします!

学校終わってから書くんですけど、執筆時間足りない…


長々と前書きすいません!では15話どうぞ!





――――――


「…とりあえず、これは私のために作ってくれたの?」


「うん〜、そうだよ〜♪」


正直異常過ぎて受け取るのが怖い。

でも、私のために頑張ってくれたって思ったら、恐怖よりも嬉しさが勝つんだよね。


「…ありがと!

私のために頑張ってくれて、嬉しいよ!」


怖いけど正直ものすごく嬉しいし、よりカスミちゃんの事を好きになったよ。

でも、あまり表に出すのはしないほうがいいよね。


「よかったよ〜!

喜んでくれたなら苦労した甲斐があったよ〜」


あ、やっぱり苦労したんだ。

まぁ、こんな訳の分からない能力をつけるのは大変そうだしね?


でも、そんなに頑張ってくれるなんて、嬉しいね。


「ふふ、嬉しいよ!」


「わぁっ!?」


私はそのまま嬉しくてカスミちゃんを抱き上げて抱きしめる。

カスミちゃんは驚いていたけど、嫌じゃないのか全く抵抗してこない。


「凛、マスター、わたしもいる。」


「わたくしも居ますわよ〜?」


「ふふ、うん、ふたりも来る?」


「…行く。」


「わ、わたくしは、遠慮しますわ〜…?」


リルちゃんは素直に私とカスミちゃんの元へ来るけど、一華さんは恥ずかしがっているのか逃げた。

まぁ、逃がすつもりは無いけどね!


「ふふふ…どうせなら皆でぎゅってしよ!」


「うひゃぁぁ!?」


「うひゃあだって、一華、可愛い」


「可愛いね〜?」


私が一華さんに抱きついて連れてきたら二人がそんなことを言って笑っていた。

リルちゃんは声色と目でなんとなくわかる程度だけどね。


「ふ、二人ともうるさいですわよ!?」


「顔真っ赤だよ〜?」


「す、鈴宮さんまで…!?」


「んー、凛って呼んでくれたら助けてあげようかなぁ?」


くすくす、と笑いながら、実は前から機を伺っていた事を言う。

苗字呼びなんて他人行儀じゃんね?


「わ、わかりましたわ!

凛さん、助けてくださいまし!」


「あはは!

いいよー!

はいはい、二人とも〜、その辺にしておこ?」


「…ん、わかった」


「凛ちゃんがそう言うなら〜」


三人で笑いながらからかうのをやめる。

一華さんがなんか騙された人のような目で見てくるけど、別に騙してはないしね?


「ふふ、嘘はついてないよ〜?

前々から苗字じゃなくて名前で呼んで欲しかったから、このタイミングで言っただけだし、特に示し合わしては無いしね?」


「うぬぬ…わかりましたわ…

とりあえず、助かったのは本当ですしね。」


がっくし、と肩を落としてそんなことを言う一華さん。

うん、これで皆と中々仲良くなれたんじゃないかな?

嬉しいね、私、実は身近な友人ってあまり居ないからね。


ほら、私ってこの中じゃ最弱だけど、この年代だと最強クラスだからね。

だから余り仲良くしてくれる人って見つからなかったんだよ。


かっこよく言えば孤高の探索者だったけど、悪く言えばただのぼっちだね。

……自分で言って悲しくなるね!


とりあえず気を取り直して…

とりあえず明日は普通にダンジョン攻略したいな。

罠とかの察知能力落ちたら嫌だし。


「ね、三人とも。

明日からさ、四人でパーティー組んでダンジョン挑まない?」


うん、私は少なくともこの四人以外でパーティー組むのは考えられないね。

だから出来れば組んでくれると嬉しいなぁ。


「パーティー?

普通に四人で行くだけじゃないの〜?」


あ、なるほど、パーティーシステムについて知らないんだ。

一華さんもリルちゃんも人間じゃないから知らないのは無理ないしね。


「パーティーっていうのはね。

組合に行ってから受付でパーティー登録っていうのをしてもらうの。」


とりあえず説明しないと急に言われても困るよね!


「その登録をしたら何かある?」


「お、リルちゃんいい質問だね!」


「どこからそのモノクルと棒のようなものと白い帽子?取り出したの〜!?」


「カスミちゃん、そこは気にしなくていいよ?

とりあえず、登録したら、組合から指輪を貰えるんだよ!」


「指輪ですの?

そんなものを貰ってどうするんですの?」


ふふふ…先生っぽいことしてみたかったんだよね!

実際に先生をするのは勉強あまり得意じゃないから無理だけどね!


「なんとね、この指輪にはお互いの位置、安否を把握する能力が着いてるの!

そしてこの指輪のペアが6個まで登録できるから、パーティーは最大で6人だね。」


「なるほど〜?

でも、そんな指輪作ることができるんだね〜?」


それは聞かれると思ってた!

でも細かいことわかんないんだよね。


「細かいことはわかんないんだけど、確かダンジョンが出来た時にレシピが各国に一つずつ現れて、それを使って確認作業してたらこの能力が発見された…はずだよ?

あまり詳しくないんだ、ごめんね?」


「ん〜、気にしなくていいよ〜?

あまり詳しく知りたいってわけじゃないし〜。

単純に凄い技術だなぁって思っただけだからね〜」


カスミちゃんの質問には完璧に答えたいんだけど、知らないものは知らないからね…

でもまぁ、確かによく考えなくてもすごい技術だよね。


「わたしは別にパーティーを組んでもいい。」


「わたくしも賛成ですわね。

特にデメリットが無さそうですわ。」


「うん、ボクも賛成だよ〜♪

……凛ちゃんが危なくなりにくくなりそうだし…」


「よかった!

デメリットは探索の報酬を均等に分けないといけないことくらいかな?

少しめんどくさいけど、このくらい頑張るよ!」


実際、この金銭関連の問題で解散するパーティーが毎年一定人数居るくらいには大変だね。


「わたくしは要らないですわ。

おふたりでわけてくださいまし?」


「ん、わたしも一緒。」


「ボクもあまり要らないかなぁ。」


「え!?

そ、そういうわけにはいかないよ!?」


このメンバーでの探索だと一回で相当深くまで行けるはずだし、そうなれば相当のお金を稼げるはず。

だから分前なしってのはさすがに…


「でも、わたしと一華は貰っても使い道がない。

何か買いたくなったら凛に貰うことにするから、貰ってて。」


「わたくしも同じですわ!」


「ボクはお金よりも美味しいご飯が欲しいの〜。

だからボクの分は凛ちゃんに上げる〜。

その分美味しいご飯楽しみにしてるよ〜?」


「むぅ、それなら、まぁ、わかった。

でもまぁ、確かに三人ともあまり物欲無いもんね…

それにやろうと思えば一瞬で大金を稼げるし…。」


まぁ、それならご飯を頑張って作らないとね!

お祭りの時や服は、三人が気に入ったものを私が買ってあげればいいしね!


正直、そんなんじゃ使い切れる気はしないけどお金は持ってて困ることないしね。

とりあえず、うん、これならトラブル起こることも無さそうだね。


パーティーメンバーは二人余裕あるけど、正直この三人に着いて行ける人が居るとは思わないし…

私もキャリーして貰ってばかりだから少しずつでも強くなって、追い付けるように頑張らないとね!


とりあえず、明日はパーティー登録しに行ったあとにダンジョン行こっと!

そういえば三人は罠とか探知できるのかな?


「三人は罠探知とか出来るの?」


「罠〜?

そんなの気にしないよ〜」


「罠なんて魔物のわたしに反応しない。」


「わたくしも一緒ですわね」


あ、確かに、魔物であるリルちゃんと一華さんには反応しないか。

でもカスミちゃん…気にしないって…

もしかして、案外脳筋だったりするのかな…?


「んー、とりあえず、私は気にするから、明日は進むの少し遅いかも。」


「ん〜、まぁ、仕方ないよね〜、了解だよ〜。」


申し訳ないけど、罠は私だと危険だからね…

上、中層なら問題ないんだけど、下層レベルになると中々危険なんだよね。


少なくとも私じゃ深層レベルのモンスターが出たら危ない。

タイマンならなんとかなるかもしれないけど、それでも四肢欠損くらいは覚悟しないといけないからね。


「私は盗賊じゃないから罠解除あまり得意じゃないんだけどね…」


盗賊を雇うべきだとは思うけど、下層どころか深層まで行く可能性があるのに足手まといを連れていく訳には行かない。

ちなみに盗賊っていうのは、罠の解除や偵察に特化してる人のことを、ゲームとかに例えているだけだよ。


実際、ジョブシステムなんて言うのは無いしね。

私はそれで言うと侍、かな?


「罠解除や罠探知用のアイテムなら一応あるよ〜?」


「え!?」


そうだ、確かにカスミちゃんなら簡単に作れそうだね…

なんで考えなかったんだろ?


「それはどんなの?」


「えっと〜、メガネだよ〜。

罠がある場所を赤く光らせて教えてくれる〜。」


め、めがね…

どうしてそうしたんだろう…

やるならコンタクトじゃないかなぁ。


そんなことを考えていると、なんとなく伝わったようで


「コンタクトだと使い捨てだから〜、使い捨てって勿体ないよね〜?」


「んー、メガネだと戦う時とか邪魔じゃない?」


「そこは…戦う時は外したり〜?」


考えてなかったんだね…

まぁそんな便利な物があるならゆっくりにする必要は無さそうだね。


「うん、それならまぁ、あまりゆっくり進まなくても安全そうだね。」


「…心配にならないの〜?

ボクのアイテムが不良品だったら、とか…」


なんだ、今更そんなこと気にしてたんだね。

案外繊細なんだね?


「そんなこと心配してないよ?

カスミちゃんの事は信頼してるし、信用してる。

それに、もし不良品でもそれこそ人間っぽいじゃん?

大丈夫だよ、一応上層できちんと使えるか確かめるからさ!」


最後あたりはにやりと笑って言う。

ま、人間は失敗するものだからね!

失敗しない人は凄すぎてあまり身近に感じれないから。


「……うん、そっか〜!

それなら、安心だね〜。」


「ん、マスターは、信用されてることを理解するべき。」


「勿論わたくしたちもご主人様を信用してますわよ?」


どこか呆れたように言うリルちゃんと一華さん。

ふふ、やっぱりこの三人は、仲良いね。


私もこの三人の仲間って胸を張って言えるように頑張らないとね!

その為にも明日、頑張らないと…

…愛想を尽かされることだけは無いように、役に立たないと…


「勿論、凛のことも信用してる。

短い付き合いだけど、それでも分かるくらいには凛は善人。」


「まぁ、物凄いお人好しで無駄に鈍感なのでわたくしとしては、疑う必要性も感じませんわね。」


「一華〜、それだとバカにしてるように聞こえるよ〜?

まぁボクも二人と一緒だよ〜?

それに、凛ちゃんが言ってくれたようにボクも同じこと言うね〜?

凛ちゃんのことは、信頼してるし、信用もしてる。

愛想を尽かされないようにと考えてるのかもしれないけど〜?

…ボクは凛ちゃんを離すつもりは無いよ。」


いつも通りのゆるふわな話し方なのに、最後だけは凄く真剣な表情で言われた。

…きゅんって来たじゃん…


「そ、そっか、うん、ありがとう。

と、とりあえず、寝よ?」


恥ずかしすぎた私は寝るために寝室へ行く。

…絶対赤くなってるよ〜!!!


「凛、顔赤い。」


「リル、そういう事は言わないで胸に秘めておくんですわよ?」


「二人ともうるさいよ!?」


そんなこんなで楽しく話しながら、気がついた時には眠りに着いていた。

明日のダンジョン探索、楽しみだね。

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