第13話

今回は何故かデータが吹っ飛んで、書き直したんですけど難産でした…

なので今回は短めです、すいません…







「もー、あまりすりすりしないでよ〜?」


「あはは、ごめんね?」


ボクは凛ちゃんに対して少しジト目になりながら言う。

別に可愛がられるのは嬉しいからいいんだよ。

だけどすりすりが速くて少し熱くなるの。


まぁ凛ちゃんも反省してそうだからいいかな。

昔の親友を思い出すなぁ。

あまり思い出したくは無いけど。


「あれ、カスミちゃんどうかした?」


「ん〜?

なんでもないよ〜?」


とりあえずボクはお腹が空いてきたな。

フェルスバードのお肉がいくつかあったはず…


「凛ちゃん〜、これ使ってご飯つくって欲しい〜」


フェルスバードのお肉をいくつか出して、ボクと凛ちゃん、一華とリルの四人分を作ってと頼む。

凛ちゃんは快くOKしてくれて、とりあえず一度帰ることになった。


「あ、リル〜、絶対に地上で元の姿になっちゃダメだからね〜?」


「…ん、わかった」


少し窮屈かもしれないけど、流石に呼び出すのを禁止されたら嫌だしね。

我慢して欲しいな。


とりあえずボクは軽くリルを撫でることにしておく。

リルは元の姿に戻れないことで少し不服そうだったけど、撫でてあげると機嫌が良くなった。


まぁ表情は変わらないから多分ボクと一華くらいしか気付かないけどね。


「それじゃあ凛ちゃんのお家に【テレポート】していい〜?」


「いいけど、玄関の前にしてくれない?

流石に直だと靴脱ぐタイミングないしね。」


おぉ、確かにそれはそうだね。

ボクは頷いて、四人で凛ちゃんの家の玄関の前にテレポートする。


今回のダンジョンはなかなか楽しかったなぁ。

凛ちゃんカッコよかったし…


「んふ〜♪」


かっこいい凛ちゃんを見れて機嫌よくなっていると、凛ちゃんが首を傾げながらボクを見ていた。


「カスミちゃん、機嫌良いけど、どうしたの?」


「ん〜?なんでもないよ〜?」


かっこいい凛ちゃんを思い出してたってバレると恥ずかしいから、ボクはとりあえず言葉を濁しておく。

だって、バレたら恥ずかしいしね。


「そう?

まぁ、それじゃあ作ってくるから適当になにかしてて!」


「はーい」


ボクは、リルと一華と三人で適当な話に花を咲かせることにした。


「マスター、地上って、うるさい?」


「ん〜、ダンジョンも場所によってはうるさくない〜?」


「そうだけど、地上って、うるさくない?」


「リル、それは人間が多いからだと思いますわ!」


「一華、正解〜、多分人が多いからそれだけうるさくなるんだと思うよ〜?」


「なるほど。」


この三人でこんなほのぼのとした話をすることになるとはね〜。

正直三人が揃うこと自体ほとんどなかったし、あってもボス討伐の時くらいだったからね〜。

平和だね。


ボク以外にも、二人とも同じことを思っていたようで小さく笑いながら言う。


「まぁでも、うるさいけど平和。

中々いいところ。」


「そうですわね!

確かに、こんなに平和なら遊びに来るにはいいかもしれませんわね。」


「ん〜?

なら〜、基本ずっと召喚しっぱなしでもいいよ〜?」


別に召喚する時と返還する時以外は魔力消費も無いので、帰らないならそれでいいとボクは考える。

実際この二人と居たら楽しいしね。


「そうですわね〜…

悩みますわ!」


「ん、なやむ。

地上って、地面柔らかいから一華との鍛錬が出来ない。」


確かに地面の硬さはダンジョンが圧倒的だね。

でも鍛錬したい時だけ返還するってことでもボクは別にいいんだけどね。


というかリルも一華も転移出来るだろうに。


「リルも一華も鍛錬したい時だけダンジョンに転移すれば〜?」


「あ、確かに、わたし転移できる。」


「その手がありましたわね!」


ぽん、と手を叩いてその手があったか!と感心している二人。

気付いてなかったんだ…


「三人とも〜、ご飯できたよ〜?」


案外時間が過ぎるのは早かったね。

そんなことを思いながらボクはふたりと一緒に凛ちゃんの元へ行く。


「おー、美味しそうだね〜?」


「頑張ったよ!

割と自信ある!」


「それは楽しみ」


「楽しみですわね!」


リルの本体の大きさからしたら全く足りなそうだけど、何故か人型だと見た目相応しか食べないようだ。

むしろ食べすぎるとしんどいところも普通の人間と一緒だね。


人間と違うところは角と尻尾、後は基礎身体能力じゃなイカなぁ?

リルも一華もボクと一緒でご飯を食べることは好きなのだ。


二人とも本体だと獣の本能?みたいなものが強いから調理したりしないらしいけど。


「それにしても、三人で何話してたの?」


食べているとそんな質問を凛ちゃんから受ける。

まぁ確かに気になるよね。


「えっとね〜、地上は平和だねーって話だよ〜?」


「まぁ、確かにダンジョンと比べれば平和だけど…

比べるものじゃなくない?」


「ん、後は地上はうるさいって話。」


「そうですわ!

地上って本当に騒がしいんですのね?」


「まぁ、この辺りは特に人が多い地区だからね。」


あ、そっか。

この辺りは渋谷。

そりゃあ人が多いわけだね〜。


「というか〜、配信もう切ってるの〜?」


「あ…」


あちゃ〜、なんか切ってるところみないなって思ったら、つけっぱなしだったようだよ。

試しに少しコメント欄に目をやって見る。


:お?気付いた?w

:珍しい消し忘れだ!w

:こうして皆でご飯食べてる所見ると、全員美少女、びじんすぎん?

:レベルくそ高いよな!

:外見的にも実際のレベル的にもな!

:俺らじゃこの中の誰にも勝てないって話する?

:凛ちゃん消さずにこのまま見せてください!!

:あ、やべ、バレたんなら消されるかもしれんのか!?

:やだぁ!!もっとほんわかモードの皆を見せとくれ!

:元々今日はほんわかの日だったよね!だからこのままつけっぱなしにしよ!

:ほら、同接もすごい人数いるのに皆こう言ってるからさ!

:気付いたら同接100万越えマジ?

:↑マジやで、戦闘シーンの切り抜きが上げられて、更にはツブヤイターでトレンド1位だからな!

:確かにあの戦闘シーンとかソロデュラハン討伐はトレンドになっても仕方ない!

:むしろアビスモンスターの映像があるにしては同接すぐなかったまである?

:確かに、このモンスターの情報量だけで億余裕で稼げただろ


へー?

モンスターの情報って売れるんだね〜。

まぁ、特にお金にはこまってないから売らなくていいかなぁ。


お金に困ったら売ろうかな。

武器を作る必要性が無くなったね。

凛ちゃん専用装備を作りたいけど拒否されてるしなぁ。


「凛ちゃん〜、凛ちゃんの装備作らせて欲しいな〜?」


「……今の私に適正なレベルの装備なら、むしろ作って欲しいかも。

今の刀、もうレベル的に合ってないんだよね。」


おぉ!

許可くれた!

でも凛ちゃんの適正レベルかぁ…


まぁ適正と差のある物は手を持っていかれるし、御守りもってくれてるだけいいかな。

どういう装備にしようか。

刀は確定。


魔法効果のある刀にしたら扱いが難しくなるし、切れ味が微妙に下がるから却下。

あのデュラハンの装甲を使おうかな?

あれなら丁度いいレベルだしね。


「凛ちゃん〜、ならデュラハンの装甲ちょうだい〜?

それで刀作るよ〜」


デュラハンの装甲なら魔力が通りやすいはずだし、凛ちゃんのスキル【風刀術】も使いやすくなりそうだね。


「ん?

あ、うん、いいよ!

…私のソロ討伐したデュラハンの素材が私の武器になるんだ…」


少し感慨深そうに呟く凛ちゃんだけど、確かに苦労して倒したモンスターの素材が自分の武器になるのって嬉しいよね〜。


ボクも分かるよー。

昔はボクも凛ちゃんみたいに苦労して倒してたからね〜。


「期待してていいよ〜?

何かこういう効果欲しいとかある〜?」


「効果?

あの魔剣みたいに属性が付いたり?」


「それも出来るし〜、やろうと思えばなんでも付けれるよ〜?

魔力を消費して風の刃を飛ばしたり〜、それこそ魔剣、聖剣と同じ感じにもできるよ?」


切れ味が下がらないようにするのは大変だけど、凛ちゃんのためなら頑張るしね〜。


「んー、魔力を通しやすくして欲しいかな。

それ以外は…特にないかな。」


「ん〜、分かったよ〜」


使う素材を決めないとね。


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