亡霊の短歌
ドレス着てポッケに小銭 鈴のよに 川わたるのに要るのですって
星霜を経てなお
湖のもっとも昏い水底に 秘密の入った泡がごぽりと
日射し刺す 紫陽花の葉も花鞠も 灼けて死にゆく夏の蹂躙
夏の日の彼女の昏い哀しみに驟雨になれば寄り添えるのか
古藁に復讐の火の種を撒く 業火になる迄なかよくしましょう
いつか死ぬ 死んでもバスは路を往く
瞑るように透明になった亡霊は仄白い手で温度をさがす
光射す白い廃墟の絨毯に 昨夜の舞踏の幼い靴跡
苔生したソファに永眠る貴婦人の袖のレースに 一疋の蜘蛛
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