。り入嫁輿葬の魚、人

むかしむかし坊主ぼうずがどろんして、ひんやりとしている紫陽花あじさいでら御参おまいりをしていた尸童よりましの、がらんどうだからいけない御腹おなかからかぼそ煙管きせるみたいなかよわいあんよへりばらばらにいするまる蜻蛉玉とんぼだまも、ふやける御手おて縁切えんきった、水水みずみずしい雨乞あまごうたきのやぶがさも、御涙頂戴おなみだちょうだい蝋燭ろうそくもぬけのからとお提灯ちょうちんも、なになんでも、ぼんやりした水入みずい水晶ずいしょうになれば、御歯黒おはぐろだらけの御飯おまんまが、れもれも、だれかれ水籠みごもれば、白粉おしろいだらけの御飯おまんまが、嫌嫌いやいやをしてもみずあわにする御口おくちってらっしゃい、れから、れから、ってきます、さお魚鱗ぎょりん流離さすら水溜みずたまりでさまよい、あれから比丘尼びくに八百はっぴゃくねん

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『  』 透鱗りゃんせ @tourinryanse

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