異世界人のわたし、とんだ目にあう

 手を引かれて病院の外に出たら、大雨が降っていた。

「げえぇ、雨降ってきやがった、お天気おじさん嘘つきじゃん、夜まで降らねえって言ってたのに!」

 先ほどまで自分達がいた病室に向かう時は自分の事を俵担ぎにしていた少年が心底うんざりしたような顔でそう言った。

 一方わたしは、この世界でも雨が降るのだなと阿呆みたいな感想を抱いていた。

 現代日本人、ごくごく普通の高校生だったわたしが、唐突にこの異世界に転移してから……多分、一月と少し。

 この世界に流れ着いてすぐの頃は検査と称された非道な目に遭わされて、かなり酷い目にあったのに結局こちらの世界でわたしは無価値と断言され、これからどうする、というところでこの少年に拉致された。

 拉致されてようやくこの異世界がどんな場所であるのか、初めてそれを見た。

 今まではずっとほとんど裸みたいな格好で実験室らしき部屋に隔離されていたから、ここがどういう感じの世界なのかは今まで知らなかったのだ。

 周囲を見渡してみると、この辺りは二ヶ月ほど前に紀行番組で見たロンドンに少し似ているような気がする、どうも魔法がある世界らしいのだけど、よくある西洋風ファンタジー世界とは異なり、普通に舗装された道路を普通に自動車が走っている。

 ただし空を見上げると謎の物体に乗った人がビュンビュンと飛び交っていたり、街行く人々の姿を見るとところどころ純粋な人間ではない見た目の人がいる。

 というか自分を拉致した少年もそのうちの一人で、彼の耳は人間のそれではなく猫らしき生物のものだ、最初は猫耳カチューシャでもしているのかと思ったけど、どうも自前のものであるようだった。

 ついでにサラふわしていそうな黒くて長い尻尾が不機嫌そうに揺れている、思わず手を伸ばしたらその尻尾にバシンと手を叩かれた。

「あいった!!」

「……触ろうとしてんじゃねーよ、つーか度胸あんなお前、普通触ろうとするかね?」

「反射で、つい」

 母の実家にいる猫の尻尾を触ろうとして同じことをされたことがあるなと思い出して少しだけほっこりしかけたけど、そんな場合じゃないので顔面を引き締めてから彼の顔を見上げる。

「それで、いい加減話してください。なんでわたし、あなたのご兄弟に殺されそうになってたんです?」

「説明いる?」

「いりますよ!! こっちはこの世界に来てから何もかもわかんねぇんですよ!! ……だからせめて、あなたが説明できることくらい話してください、もう色々あって頭おかしくなりそうなんですよ」

「そのまま完全に狂っちまった方が楽じゃね? どうせお前もこの先碌でもない目にあってゴミクズみてーに死ぬんだろうし」

「そういういらんこと言わないでもらえます!? というかなんでわたしそんな碌でもない死に方するって決めつけられてるんですか!?」

「だってお前、無価値だって断定されたんだろう? ならこの世界の誰にもお前を保護する理由も意味もない、今のお前には戸籍すらないからそもそも人間扱いされないし……その辺にほっぽりだされて強姦されるなりなんなりしてそのまま死ぬか、うまいこと気に入られればどっかの変態に飼い殺されるか、そのどっちかだろう」

 その言葉を飲み込んで数秒、彼の言葉を完全に理解した直後に出てきたのは涙ではなく怒りだった。

「なんでわたしがそんな目に遭わなきゃならないんですか!! というかこの世界、最初からわかってましたけど滅茶苦茶汚いドブの底の方がマシなくらいひっでえ世界ですね!!」

「人の生まれ故郷をそんな悪くいうなよ、これでもドブの上澄くらいまではマシになったんだぜ?」

「結局ドブじゃないですか!!」

 吠えるように叫ぶと少年は悪戯っぽく笑った、普通に顔がいいのでテレビ越しとかに見ればかっこいいとかかわいいとか思ったかもだけど、今は悪魔だとしか思えない。

「そうだよ、どれだけひっくり返して整備したところでドブはドブ、多少マシになっただけ。ガキの頃はもうちょい良くなると思ってたけど、甘い考えだったな」

「悪びれもなく言わないでくださいよ……もういいです、先のことは後で考えます。それで、なんでわたしはあなたのご兄弟に?」

「んー? 異世界人殺せば元に戻ると思ったから」

「……はあ?」

 異世界人を殺せば元に戻る、あの病室で見た彼の兄弟、その目を思い出す。

 深く暗い底なしの穴のような目だった、あれに似た目を何度か見たことがある。

 隔離病棟に収容された、叔父の目が確かあんな感じの目をしていた。

「あいつ、元はああじゃなかったんだよ。もうちょい喋ったしちゃんと自発的に生きてた。だけど今はあんな腑抜けになっちまった。……それで、ああなったのは多分、お前よりも前にこの世界に流れてきた異世界人をあいつが殺し損なったせいなんだよ。だからアレと同じ異世界人を殺せば、って思ったんだが……『それじゃない』って言われちまったからな……アレじゃなきゃダメらしい。全く、一体何が違うっていうんだか……」

「え、と……ちょっと待ってください……」

 聞いた話を一度まとめてみようとしたけど、どうにもよくわからない。

「ええと、まず、あなたのご兄弟はわたしよりも前に来た異世界人さんを……そもそもなんで殺そうと……?」

 それと何故殺し損なったのかその理由も聞こうとしたけど、口にする前にその理由に思い至った。

 理由なんて二つくらいしか思いつかない。

「アレがあいつが斬ったことのないヒトだったからだよ。あいつはな、いわゆる大剣豪ってやつで……この世界に存在するすべての生物……とまではいかないが、この世界で現状確認されているすべての人種を切断して解体している。だから、異世界人っていう未知の『ヒト』を斬りたい、って」

「趣味が悪い……」

「人の弟を趣味が悪いとかいうな」

「え? 弟さんだったんですか?」

「は?」

 すごい顔で睨まれてしまった、完全に失言したなと思いつつ「ごめんなさい」と口先だけで謝っておく。

「それで……なんでその異世界人さんを殺し損なったせいでああなってしまったんです……?」

「知るか」

 回答はまさかの三文字だった、そんなバナナ。

「知るか、って……なんか思いつかないんです?」

「ない」

「ちなみに殺し損なったのって、ひょっとしてその異世界人さんが元の」

「それはない。この世界に流れ着いた異界のものは基本的に元の世界に返還できない。お前に帰る方法なんざねぇよ、妙な希望持たれる前に否定しとく、それは絶対にあり得ない」

「そ、そうですか……」

 実はワンチャンあるのではないかと期待していなかったわけではない、それでもこうも頭ごなしに否定されるとは思っていなかった。

 彼の顔を見上げる、残念ながら嘘を吐いていそうな顔ではなかった、というか彼にそんな嘘を吐く理由もきっとないだろう。

「それじゃあやっぱり……その、弟さんが異世界人さんを殺す前に、異世界人さんが死んでしまった、という?」

「そ、死んだってか殺された。この世界でもまあまあ悲惨な死に方をしたらしい」

 殺された、それも悲惨な方法で。

 それなら彼がああなってしまった理由としてパッと思いつくのは……

 しかし、それが正解だろうか? だって殺そうとしていた相手に対して、この人の兄弟がそんな感情を抱くだろうか?

 しかし、それ以外に理由が思いつかなかったので意を決して聞いてみることにした。

「なら……なら、弟さんが異世界人さんを殺そうとしているうちに、その異世界人さんに情がわいてしまって」

「ない、それは絶対ない。だって不細工だったし、性格もドブとゲボを煮詰めたようなクソ女だったもん」

 即答だった、しかも滅茶苦茶な例え話まで出されてしまった、どんだけひどいやつだったんだ異世界人さん。

「でも、話を聞いているとそれ以外に思いつかない……あなた視点では酷い人だったとしても、弟さん視点ではそうではなかったとか、逆に弟さんがそういう酷い人を好きになりやすい人だったとか、そういう可能性ってあったりします?」

「ねぇよ。うちの弟をなんだと思ってるわけ? そんな悪趣味なわけないじゃん」

「斬ったことがない未知のヒトだからっていう理由で人を斬り殺そうって発想が出てくる時点でよっぽどだと思いますけどね」

 そう言ったら尻尾でお尻を思いっきり叩かれた。

「いった!! なんでそんなさらふわな見た目のくせにこんなに攻撃力高いんですかその尻尾!!」

「はあ? この程度で痛いのかよ異世界人……これでも手加減してやってんだけど?」

「ええ……」

 結構な一撃だった気がするのだけど、あれで手加減されてたというのなら本気だとどうなってしまうのだろうか?

「……で、結局理由は分からずじまいってわけですか」

「ああ。アレの死体見つけた後にああなったからあいつがああなった原因はわかってる。けど具体的にどうしてあいつがあそこまで壊れたのか、その理由がさっぱりわからねぇの……理由を話せって何度も何度も問い詰めてみたこともあったけど、ずっとダンマリだったからお手上げ」

「うーん……それじゃあ、そこそこ酷い死に方したって言ってたじゃないですか、その……ご遺体の損壊が酷すぎてショックを受けたとか?」

「は? んなわけあるか、そこそこ酷かったが大したことねぇよあんなの。戦場にはアレより酷い死体がゴロゴロ転がってるからな、それに見慣れてるあいつがあの程度でショックを受けるかよ」

「そ、そうですか……ちなみにその……ご遺体ってどんな状態だったんです?」

「んー……どんなって……ああ、最初に見た時あれに似てるって思ったな、クジラ」

「くじら?」

 この世界にも鯨っているんだなあと思いつつ、遺体を見て鯨みたいだと思うってどういうことだとも。

「あー……この世界の海には鯨っつークソでかい生き物が生息していてな? この鯨って生物、死んで海の底に沈んだ後にその死骸……骨を中心に特殊な生態系が築かれるんだよ、これを鯨骨生物群集っていうんだが……オレがアレの死体……いや、残骸を見て最初に連想したのが、それだった」

 鯨骨生物群集、わたしが元いた世界にも確かそんな言葉があったはず、そこまで呑気に考えて、すぐにゾッとした。

 だって、一人の人間の遺体、それから彼はこの言葉を連想したのだ。

 つまり、つまりつまりつまり、その異世界人さんは、死後その遺体に……

「おい、どうした? 顔色悪いぞ?」

「だ、だって……それって、それって……その異世界人さんの遺体に……その、ウジとかそういうのがいっぱい、うわーっ、ってこと、でしょ……?」

 虫は嫌いだ、だってとっても気持ち悪い。

 だから想像するだけで恐ろしい、そして自分がそうなってしまったらとか思うと、余計に怖い。

「あん? ちがうけど? ってか生き物の死体に蛆虫が湧くのなんざ当たり前だろうがよ、その程度でわざわざ鯨を連想するかボケ。……もうちょい色々、ひどかった」

「ひいぃん!! もうちょい酷いってどんなですか!? もう決定じゃないですか!! どれだけ酷い人だったとしても知り合いのご遺体がそんなふうになってるの見ちゃったら普通じゃいられませんよ!! ああなってもなんにもおかしくありません!!」

 少なくともわたしはショックで寝込むと思う、そしてきっとそれだけでは済まされない。

 きっと心の傷が一生残るし、何年経っても思い出してしまうだろう。

 けれど少年は少し呆れたような顔で、こんなことをのたまった。

「えー……でもあいつ、人の死体は見慣れてたし……知り合いだとしても……自分の母親の蛆虫だらけの死体見つけた時も『うわ』とだけいって川に蹴飛ばしておしまいだったから、それは絶対ないと思うぞ」

「いやああぁぁあ!! なんですそのひっでぇエピソード!! なんで川に落としちゃうんですか、お母様でしょう!?」

 水葬のつもりだったとしても蹴飛ばすのはダメだし、そんな風にご遺体にウジが沸いてしまっていたというのなら、せめてそれを綺麗にとってほしい、というか川に流すとか普通に死体遺棄だからやっちゃダメだと思う。

「だってクズ女だったもん。めーっちゃくちゃ嫌な奴だったから別によくね?」

「よくないです!! たとえそんな酷い人だったとしても、そういうことを平然とやっちゃダメですよ!! なんで止めてあげなかったんですか!?」

「えー、だってオレはオレで父親の死体を川に蹴飛ばすので忙しかったから。中まで腐ってたせいで変な風にバラけちまってさあ、全部うまいこと落とすのに苦労し」

「もういいです!! 聞きたくありません!!」

 なんでわたしはこんな酷い話を聞かされているんだろうか、わたしが一体何をしたというのだ。

 悪いことなんて……ちょっとしかやってないのに。

「え、お前泣いてんの? ウケる」

「ウケないでくださいよ……この世界が酷いのかあなたたちが特殊なのか、どっちですか……」

 果たしてどちらがよりマシなのかは置いておく、どっちもきっと同じくらい酷い。

 涙を拭っていると少年は不思議そうな顔でわたしを見ていた。

「……この世界じゃよくあるってほどじゃないけど、特に珍しいことじゃない。それなのにお前がそんなになるってことは……お前が元々いた世界、だいぶ平和だったんだな」

「ええ、疫病流行ってたり他所の国が戦争してたりしましたけど、わたしは少なくとも食べるところにも寝るところにも困らず、人の死に触れたことも一度もなく……平和に呑気に伸び伸びお気楽に生きていましたとも……!!」

 だからもう過激なお話はこれ以上聞きたくないな切実に願いつつそう言ったら、少年はきょとんとした。

「へえ……ん? ちょい待ちお前ヒトの死体、ひょっとして見たことすらねーの?」

「ええ。幸いおじいちゃんもおばあちゃんも腰がまっすぐな元気なジジババですので、幸運なことに交通事故とかも見たことないですし……」

「ええ……? ひょっとして富裕層?」

「一般庶民ですよ」

 何故か困惑顔で聞かれたので、見栄を張らずに素直に答えた。

「一般庶民のくせに人の死体見たことないとか……いや待て、さっき他所の国が戦争とか言ってたな、お前が住んでた国、まさかとは思うけど戦争やってなかったわけ? お前が生まれてからその歳になるまで一度も?」

「……八十年くらいはやってませんよ?」

「はちじゅうねん!!? ばっかじゃねえの!?」

「なんでわたし、唐突に罵倒されてるんです?」

 ついでに尻尾で尻をべちべち叩かれている、さっきよりも威力は弱いけど普通に痛いからやめてほしい。

「いやだって八十年も戦争しないとかあり得ないでしょ! 五年……いや、十年程度ならまだギリッギリ信じられるけどさあ……」

「はあ……この世界の人って喧嘩っ早いんですね……まあうちの国はよその国と比べても戦争してない期間は長い方だったはずですけど……やってるところはずっとやってますし」

「それでもおかしいってお前の世界……こっわ、なんでそんな長い期間戦争やってない国が普通にあるわけ? 意味わかんなすぎてこわ……」

 尻尾の勢いが弱まってきたので、鷲掴みにした。

 びん、と手の中で尻尾が硬直する、尻尾そのものは硬いけど毛はふわふわで柔らかい、大変良い手触りだった。

「っ!? 急に何すんだよぶっ殺されたいわけ!!?」

「だってずっとべしべし叩いてくるから、痛くて」

「叩いてねえよ!! 尻尾振ったら偶然そのでっけえケツに当たってただけ!!」

「で……でっけえケツ……」

 怒りよりも何よりも衝撃の方が強かった、だってわたしの周囲にそういうセクハラっぽい発言する人は一人もいなかったから。

 満員でもない電車に乗ってたら痴漢に出会ってしまったような気分だった、どうしよう普通に心が辛い。

 普通にショックを受けて何も言えずにいた、今わたしの心を砕けぬように引き留めてくれているものは、片手に握りっぱなしのふわふわの触感だけだ。

 ……これって本物なのかな、偽物だったらちょんぎってもらってもいいよね? それくらいのことをしても許されるよね、と思いつつ全力でそのふわふわをにぎにぎ握っていたら、セクハラ少年がすごい顔で犬みたいに尻尾をブンブン振りはじめた。

 嬉しいのかしら、ふふ……

 ワンコは嬉しいと尻尾振るっていうけどニャンコの方もおんなじだったっけ、それとも違うんだっけ?

「おいこらいい加減放せこの変態女!!」

「ふふ……ケツ……でっかい、けつ……ふふ、ふふふ……」

「ちょっ!? いい加減にしろよてめ……!!」

 虚無ったまま尻尾をにぎにぎしていたら、背後でうぃーんと謎の音が。

 なんの音かしら? 自動ドアが開く音に酷似していたような気がするけど、こんな野蛮な世界に自動ドアだなんて高尚なものがあるわけ……

「あの、病院の前で騒がないでいただけないでしょうか?」

 それは低く落ち着いた男性の声だった、首だけで振り返ると白衣のお医者さまの姿が。

 ついでによく見ると病院のドアは普通に自動ドアだった、そういえばさっきもなんの違和感もなく普通に通ってたんだった。

 異世界にも自動ドアってあるんだなとなんだかしみじみとしてしまった。

「あっ……えっとその、すみません……」

 とりあえずお医者さまにペコリと頭を下げておく、名残惜しいけどそれと同時に尻尾から手を放した。

「やっと手ェ放しやがったな、この痴女……」

「さっきからなんです、尻尾触った程度で人のこと変態だとか痴女だとか」

「尻尾触った程度って……おまえ……」

「その尻尾で人のお尻をべしべし叩いてくる方がよっぽどです。うちの国だったら強制わいせつ罪で逮捕されてもおかしくありませんから」

「はあ? なんだその強制なんとか罪って、それをいうならお前のが」

「お二人とも」

 少年と言い合っていたらとてつもなく冷ややかな声が。

 思わず視線を声が聞こえてきた方に向けると、お医者さまが目が笑っていない怖い笑顔でこっちをじいっと見つめていた。

「まずは少年、レディの身体を尻尾で叩いてはいけません。また、『でっけえケツ』とかいう汚い言葉遣いをするのはやめなさい。そしてレディ、公衆の面前でオスの尾を握るなどというはしたない行為はしないように、わかりましたね?」

「は、はい……ごめんなさい」

 何がどうはしたないのかはよくわからなかったけど、自分がなんかよからぬことをやらかしたらしいことは察したので、素直に謝っておいた。

 一方少年はしばらく無言でお医者さまの顔を睨みあげていたけど、数秒後に舌打ちをした後深々と溜息をついた。

「わかりましたよ、せんせ。騒いで悪かったな、もう帰るから」

「うーん、反省の色が見えませんね、少年」

「はんせーしてるよ、オレなりに深々と」

 本当にしてるんだか、と思っていたら少年に手をがしりと掴まれる。

「え、いきなりなんです?」

「それじゃあオレらはこの辺で」

 少年がそう言った直後、世界がぐにゃあと歪んだ。

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