story7 レキの危機




なぜそう思ったのかわからない。

わたしの思考回路にズバッと入って来た言葉だった。

それでもわたしは、進む。

自信って、こういうことだったんだ。

今まで"自信を持つ"というものを何回も聞いてきたことか。

それは、わたしの"自信"じゃない。

わからないことをあえて進む。

すごい........。


  楽 し い ‼


わたしの思考回路に入って来た言葉、"レキの神殿"。

その言葉と同時に、脳内に映し出された映像。

その光景を見つけ出せば、たどれる‼


ピュ~ッ...‼


どこからか、森全体に響き渡る音が聞こえた。

でも、動物の声とは思えなかった。


ドンドン‼


なにせ目の前には、見たこともない種族の人間が槍を構えていたのだから。




 ◇◆⚔◆⚔◆◇




ズリ...ズリ...‼

い”っ。

音に反応したかのように、わたしは目覚めた。

さっきから...そんなに時間はたっていないのだろう。

こんなにも早く目覚めたわけは......とてもとても尻が痛いからである。

痛痛痛痛ぃ‼

幸い目を開けることはできた。

だが体を動かすことができない。

___ロープで縛られているのだ。

どうにかここを抜け出さなきゃ‼

でもわたしは、ロープをちぎれる超人でもなければ、

ロープの間をすり抜ける忍者でもない。


結論:抜け出すことは不可能。


「エルピマ...エンサイマダル!リリネイエタ!」

「エイス‼」


聞きなれない言語...何か手掛かりでもあったらよか...っ

よかった。と言い終わる前に、わたしは硬直した。


レキの神殿‼ここに!?


彼らが向かっていたのは、運よくこの神殿のようだった。

辺りに生臭い匂いが漂う。

う、ぐ...また無理な匂い...。

でも、今度は"自然"というより...腐った匂い?


数分すると、その匂いの原因がわかった。


なんだココ‼

目の前には、枯れ果てて腐った花畑が広がっていた。

その周りには、この花畑に殺られてしまった動物達の死体があった。

もうこれは花畑じゃない……"汚花畑おはなばたけ"でしょ‼

命の危機にダジャレを言っているようで、考えた自分自身が恥ずかしくなってきた。

目の前には見るからにヤバい色のきのこや雑草などが生えている。

___これが、人間のやること…。

改めて人を恐ろしいと思った。

近づく度、強烈な匂いが鼻を襲う。

わたしを運んでいる人たちも、苦しそうな顔をしていた。

でも、彼らはどんどん汚花畑に近づく。

なんで!?ジャングルなんかにガスマスクなんてないのに‼

もうすぐで花畑に入る寸前...。

彼らは、足を止めた。


____も、しかして...っ‼


コイツらは、わたしを汚花畑に捨てるつもりなんだ‼




「きゃああああああああああああああ‼」




















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